TOPIX +22 @2,063
日経平均 +256円 @29,916円
日経平均は7日続伸した。菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明したことで自民党を中心とした政権が続き、次期政権は新たな経済対策を打ち出してくるはずだとういう期待感の高まりが主な上昇要因である。ただ、これは新聞解説並みの浅い理解である。正確には、政局の不透明感が大きく低下したために将来に対する「楽観・悲観の尺度」である予想PERが適正値である16~17倍を大きく下回って12倍台(=通し将来まで全く経済成長しないことを織り込んだ水準)まで下げていたものがやっと13倍台へ戻ってきたことが株価上昇の理論的な理由である。また、国内での新型コロナウィルスの拡大がピークアウトした可能性が高くなってきた。さらに、米国の雇用統計が予想していたよりも悪い数値となったため、量的金融緩和(=テーパリング)の開始は少し遅れそうであるという観測も出始めたことが株式相場を下支えしている。
日経平均の日足チャートを見ると、7日続伸して、昨日予想した通りザラバでは30,000円台にワンタッチした。しかし、この7日間で2,275円も急上昇して来て、さらに、30,000円回復という当面の目標も達成したことから、短期的には上昇一服となっても極めて自然である。今日は、高値圏で続伸した後に十字線や上下にひげを引いた短陽線などが出現する「赤三兵思案星」となった。短期的に、つなぎ売り玉を少しだけ建てて相場の強さを「実感」で測るのも悪くない。
33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、情報・通信(2位)、陸運(3位)、倉庫・運輸(4位)、水産・農林(5位)となった。