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週末まとめ -11/2/2008-

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★アメリカ
週間では、ダウは+11.3%、ナスダック指数は+10.9%、S&P500は+10.5%の大幅上昇でした。週明けの月曜日は、先週の流れを引き継いで下落で始まりましたが、火曜日にダウは+889ドルの大幅反発。水曜日にはFedは0.5%の利下げを決定し、株式市場は少しふらついたものの大崩れはせず、木曜日、金曜日は再び上昇ペースを取り戻し連騰しました。

今週発表された経済指標は、住宅価格は下げ止まらず、消費者センチメントもひどいものでしたが、株式市場・為替市場は、経済指標へはほとんど反応しませんでした。ヘッジファンドや投信などの投げ売り連鎖が一旦止まったのと、各国政府・中央銀行が続けざまに出している対応策への期待感ですかね。

国債増発懸念からか、長期金利が上昇していきています。住宅ローン金利も上がってきていますね。住宅市場の回復が遅れそうです。こういうのをクラウディングアウト効果、って言うんでしたっけ。アメリカをはじめ世界各国は今の危機を乗り越えることができるのかなと、1929年からの大恐慌や日本の失われた10年との比較を調べたりしていると、経済学の素養がないと話についていけないな・・・と最近思い始めています。少し勉強しておこうかな。トレードに役立つかというと別に関係ないでしょうけど、せっかく100年に一度の危機が起きているのだからリアルタイムで成り行きを把握していきたいなと思って。

GM、クライスラーの合併、政府支援の話がなかなかまとまらないですね。うまく処理しないとまたマーケットの混乱につながりそうです。次期大統領になる可能性が高いオバマ氏は自動車産業への支援に積極的なようですから、たぶん変なことにはならないと思いますが。。。

ホットマネーの流入と金融バブルに踊った揚句、ピンチに陥った新興国各国に、次々とIMFが支援を行っています。IMFはアイスランド、ウクライナ、ハンガリーに対して340億ドルを超える緊急融資を決定。ベラルーシ、パキスタンからも支援要請を受けています。


・10月の各国株価指数下落率
ダウ:-14.1%
S&P500:-16.9%
ナスダック:-17.7%
FTSE:-10.7%
DAX:-14.5%
日経平均:-23.8%
ドル建て日経平均:-17.5%
TOPIX:-20.3%
ハンセン指数:-22.5%
上海総合指数:-24.6%
SENSEX指数:-23.9%
ボベスパ指数:-24.8%
RTS指数:-36.2%
韓国総合指数:-23.1

日経平均、中国、韓国、インド、ブラジルはほとんど同じ下げ率ってのが興味深いですね。円は大幅上昇、人民元はしっかり、それ以外の新興国通貨は大幅下落と、通貨の動きはまちまちだったのに自国通貨建ての株価指数の下落率は結局ほとんど同じ。ユーロ、ポンドは叩き売られたのに、欧州の下落率が小さいのも意外です。それとナスダック指数とドル建て日経平均が連動しやすい状況は続いているんだなと思いました。


★日本
週間では、日経平均は+12.14%、TOPIXは+7.57%と大幅反発でした。今週も日経平均の値動きは激しかったです。月曜日は歴代16位の下落率、火曜日は歴代11位の上昇率、水曜日は歴代8位の上昇率、木曜日は歴代4位の上昇率、金曜日はランクインはしませんでしたが-5%の大幅下落。出来高については、東証一部売買高が30億株程度の日が続き、商いが活発な状況が続いています。日経平均先物出来高も20万枚を超えるのが当たり前になっています。

日経平均や輸出株を中心とした個別銘柄の動きは、為替の動きが重要になってきます。今のところドル円のボラは収まってきていて、円売り圧力がやや強く円高に振れる感じがあまりせず、株価にとっては追い風ですね。ドル円がこのまま落ち着いて1ドル95円以上で推移するようなら、日経平均も8000円以上で推移できると思います。ただ、今回の各方面へのダメージは相当大きいので、実体経済も株価もそう簡単には回復はしないと思います。

今週は多くの企業が中間決算の発表と、通期の業績下方修正を発表しました。これまで株価は下げ続けていたので、利益が2,3割減程度の下方修正ならアク抜け感から大幅高となるところも多かったです。全体相場がリバウンドしていたのも追い風となりました。コマツや住友金属鉱山など下方修正発表後にストップ高となる銘柄もありました。

日経平均のEPSは、夏頃は830円程度でしたが、下方修正がぞろぞろ出てきた現在では700円程度まで下がっています。
http://www.asset-alive.com/nikkei/fundamental.php?f=per

月曜日には、大幅増資による希薄化懸念からメガバンクが揃ってストップ安を記録しました。株式市場の急落で保有株の価値が下がり自己資本比率が低下しています。三菱UFJは、1兆円の増資を発表しました。みずほと三井住友はまだです。週の後半は新興国株式市場が大幅反発したことから、新興国経済の影響が大きい建機、鉄鋼、非鉄、海運などが大幅高となりました。円安が進んだことから、自動車、精密など輸出株も強かったです。リバウンド局面ではこういう敏感なのがパフォーマンスが良くて、ディフェンシブは置いていかれますね。

金曜日には、日銀は7年ぶりの金融緩和となる0.2%の利下げを行いました。日銀に金融機関が当座預金として預けているもののうち、所要準備額を超える金額については0.1%の利息を付与する制度の導入とセットだったため、0.2%の引き下げという下げ幅になったようです。今回の利下げは、貸出金利の低下という直接的な面からの効果はあまりないでしょうけど、株式市場や為替市場を落ち着けて、クレジット市場も落ち着けて・・・といった面からの効果はあると思います。急激な円高で輸出企業が苦しんでいますし、金融危機でCP市場などがおかしくなって企業活動に直接影響与えていますし、株式市場が暴落すれば銀行の自己資本比率が低下して貸し剥がしにつながったりしますし。日銀の活動目的ではないかもしれませんが、マーケットの混乱の影響は大きいですから出来ることはやってもらわないと。まあ、やるなら10/8の協調利下げの時にやっとけよって感じですが。日銀のKYっぷりからして、今回の金融政策決定会合でも利下げなしを押し通すのかと思いましたが、そこまでKYではなかったようで一安心です。

しかし、28日か29日に利下げ観測を出したのは、日経新聞の記事が最初ですかね。この記事にマーケットが円安・株高に反応して、日銀の判断に影響を与えた可能性があります。決算前によく出る大企業の決算見通しのリーク記事などもそうですけど、いったい何様のつもりなんでしょうね、この新聞。日銀が利下げしたことの是非はおいといて、たかが一新聞ごときが観測記事でマーケットを動かし中央銀行の判断に影響を与えるなんて、ふざけんなと思います。そういえば、日興が粉飾したときに出した上場廃止見通しの記事もひどかったです。いたずらに日興株を乱高下させました。記事の質はともかくとして、日本で最も影響のある経済関連のメディアなのだから、記事の出し方には気をつけて欲しいものです。決定してから、淡々と事実のみを伝えていただきたい。


★為替
円高進行は一服。日銀利下げの観測記事がきっかけとなった感じです。日銀利下げ決定後は、ドル円で1円くらい円高にいきましたがすぐに円安方向に戻りました。値動きも落ち着いてきました。ユーロドルの動きをみると、ユーロはまだ弱いですね。


★商品
全体的に下げ渋りました。Fedの利下げ直後はゴールドも原油も上がりましたが、その後は押し戻されました。


★今週の予定

3日(月)
 日本休場(文化の日)
 10月ISM製造業景況指数(米)
4日(火)
 米大統領選一般投票(米)
 武田薬品、ブリヂストン、NTTデータなど決算発表
5日(水)
 10月ADP全国雇用者数(米)
 10月ISM非製造業景況指数(米)
 シスコシステムズ決算発表
 三井物産、いすゞ、アステラスなど決算発表
6日(木)
 9月景気動向調査・速報(日)
 欧州中銀金融政策発表(欧)
 米10月チェーンストア売上(米)
 第3四半期非農業部門労働生産性(米)
 第3四半期単位労働費用(米)
 クアルコム、ディズニー決算発表
 トヨタ、ダイキン、ローム、オリンパスなど決算発表
7日(金)
 雇用統計(米)
 9月中古住宅販売保留(米)
 フォード決算発表
 東レ、カシオ、楽天など決算発表
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