TOPIX +11 @1,961
日経平均 +300円 @28,090円
米国株式相場は高安まちまちだったが、遂にS&P500だけでなく、MSCI全世界株価指数までも最高値を更新した。機関投資家は株を「持たざるリスク」をますます意識しているはずだ。日本株全般は前場では空運、陸運、金融株への売りが優勢となり、日経平均は200円近く下げた。しかし、下げ渋りが明確になってくると買戻しや政府の経済対策に対する期待(菅義偉首相と自民党の二階俊博幹事長の会談が昨日に続き今日もあった)が高まり、大きく切り返した。
日経平均の日足チャートを見ると、10日移動平均線も25日移動平均線も明確に上向きに転じており、株価は大陽線でその上にある。これによりしばらくは上方向への勢いが続きそうである。業績見通しの指標である予想EPSは2,100円台の高水準(今年2月は1,200円台だった)が、新型コロナウィルス(特にデルタ株)の拡大によりマーケットの株式相場に対する悲観度合いが高まり、予想PERは12倍台まで落ちていた(今年2月には22倍台だった)。下値をさらに売り込もうと7月初旬以来何度も繰り返されたが底割れしなかったのはある意味当然であった。ここに来てやっと悲観度合いががやや緩和された(下げ過ぎた予想PERが少し修正された)ため、今日は株価指数に影響力のある銘柄を中心に値を上げた。予想PERが日本経済の巡行可能成長率である年率2%で成長する(予想PER=17倍)と、マーケットが気を取り戻すだけで、日経平均は35,700円(=2,100円✖17倍)まで上がるポテンシャルを持っている。
33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、鉄鋼(2位)、精密機器(3位)、サービス(4位)、金属製品(5位)となった。