TOPIX +34 @1,915
日経平均 +481円 @27,494円
米国株が反発した。自律反発狙いで先週金曜日に急落した自動車関連株が買い戻された。さらに海運株も自律反発を狙って買われた。上海総合指数も香港ハンセン指数も上がり、日経平均の上げ幅は一時500円を超えた。
日本株を取り巻くマクロ的状況は悪材料でいっぱいである。新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。世界経済をけん引する米国と中国の景気が減速する懸念が高まっている。米国の量的金融緩和の縮小(=テーパリング)開始が早ければ9月にも決まりそうである。国内政局が流動的となってきた。これらすべてが楽観・悲観を表す尺度である予想PERを縮小(今年3月の22倍台から現在の12倍台まで)させて、今年3月には1,200円台だった企業業績見通しである予想EPSは2,100円台まで改善しているのに、そのプラス効果をそれ以上に打ち消している。その結果が株価の下落である。本来は企業業績見通しが改善すれば株価は上がるものであるが、今は企業業績見通しが良くなっているにもかかわらず株価が下げ続けている最大の理由がこれである。現在の悲観度合いが少し小さくなるだけで、株価はかなり上がるはずである。
8月22日に開票された横浜市長選挙で菅義偉首相が押していた閣僚経験もある元国家公安委員長が大敗した。株式相場は政局流動化から大幅に下げることを身構えていたはずだが、結果は大幅反発となった。この現象が意味することは、もはや自民党総裁の交代は避けられないが、自民党が与党であり続けることを確実にするため新たな経済対策を打ち出してくることを株式相場が催促しているようだ。そして株価変動の本来の主要要因である企業業績見通しの変化に市場の評価視点が移るか?
日経平均の日足チャートを見ると、上から順番に、下向きの60日移動平均線、下向きの25日移動平均線、下向きの10日移動平均線が走っており、株価はその下で推移している。株価サイクル⑥(着実な下落局面)である。しかし、本日は前日の陰線に陽線でたすきを掛けるように反発する「たすき線」となり下げ止まりを暗示するメッセージを発した。さらに260日移動平均線はしっかりと上向きであり、中長期的な買い戦略の妥当性を示している。
33業種中32業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、電気機器(3位)、機械(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。