今は振り子がかなり悲観の方へ振れ過ぎている

優利加さん
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昨日の米国株式相場は高安まちまちだったが、ダウ工業株30種平均は続落した(DJIA -66.57 @34,894.12, NASDAQ +15.88 @14,541.79)。ドル円為替レートは109円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は続落した。東証1部では、上昇銘柄数が693に対して、下落銘柄数は1,411となった。騰落レシオは76.33%まで低下し、久しぶりに80%を割り込んだ。東証1部の売買代金は2兆8305億円。

TOPIX -17 @1,881
日経平均 -268円 @27,013円

公開されたFOMCの議事録から米FRBが量的金融緩和の縮小(テーパリング)を事前予想よりも前倒しで開始するのではないかという懸念が高まってきた。この懸念は昨日だけでは十分相場に織り込まれず、前日に引き続き昨日も米国株式相場の足も引っ張った。住宅着工件数の減少など米国経済の減速の兆候も表れ、中国の景気回復ペースも衰えてきた。それを感じて上海総合指数も香港ハンセン指数も下げた。日本国内では、昨日、トヨタが新型コロナウィルスの感染拡大及び世界的な半導体の供給不足が原因で9月の大幅減産(90万台弱から50万台強まで4割減産)を発表した。これも昨日に続き本日も日本株の売り要因となった。特に自動車および自動車部品株が売られた。

日経平均の日足チャートを見ると、25日移動平均線も10日移動平均線も下向きで、且つ、8月16日以来株価はその下で推移してきた。27,300円辺りに下値支持線・帯があったのだが、本日、これを下抜け、上向きの250日移動平均線も少しだが下抜けた。騰落レシオは80%を割り込み76.33%まで低下してきた。予想PERは12.6倍まで低下してきたが、今年3月下旬は22倍台だった。この間、予想EPSは1,200円台から2,100円台へ上昇し続けてきた。株式相場は常に悲観と楽観の間を振り子のように揺れ動く。業績見通しが悪化していく過程でなら悲観の度合いが高まるのはある意味で当然ともいえる。しかし、今は業績見通しが改善している最中に悲観の度合いが高まっている。つまり、今は振り子だけがかなり悲観の方へ振れ過ぎている。いつになるかははっきりとは分からないが、また楽観の方向へ振り子は早晩振れる。

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、非鉄金属(3位)、鉄鋼(4位)、ガラス・ゴム(5位)となった。

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