TOPIX +18 @1,954
日経平均 +182円 @28,071円
1兆ドル(=110兆円)規模のインフラ投資法案が米上院で可決されたことを好感して、ダウ工業株30種平均とS&P500は史上最高値をまた更新した。この流れを受けて、本日の日本株全般も景気敏感株を中心に上げた。日経平均は一時200円超上げたが、上値では利益確定売りや戻り売りに押された。
国内企業の2021年4~6月期の決算は高い進捗率を示したり、上昇修正する銘柄が多く、業績面では売り込む理由がほとんどない。一時的には売り優勢となる理由は新型コロナウィルスの感染拡大である。このリスクが十分小さくならないと上値を追う明確な動きにはなりにくいだろう。地上波テレビや大手新聞などの主力マスメディアは相変わらず新規感染者数の拡大のみを大々的に報道して「危機感を煽って」いる。しかし、データを時系列で眺めると新規感染者数が増加傾向にあるのとは真逆に死者数は明確な減少傾向にある。この傾向は日本だけでなく、欧米諸国も同じ傾向である。
これはなぜだろう?ワクチン接種の効果が出ていることに加え、医療関係者が現場での経験を積んだ結果治療効果が高まったと考えられる。しかし、もっと重要なことは新型コロナウィルスが変異を重ねることで感染力は高まったが、反対に毒性が弱まっているとも推論できる。その結果、昨年は一時20%を超えていた致死率(過去28日間の死亡者数を感染者数で割った数値)は足元では0.2%まで低下しており、もう少しでインフルエンザの致死率である0.1%と同じになる。新規感染者数が増加していても株価は下げない現在の株式相場はこの点に焦点を合わせているように思える。
日経平均の日足チャートを見ると、下向きの25日移動平均線の上に株価は浮上してきた。25日移動平均線が上向きに転じて株価がその上で推移すれば上昇基調が続きやすい。25日移動平均線を回復したので次の上値抵抗線として意識されるのはまだやや下向きの60日移動平均線である。
33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、ゴム製品(1位)、海運(2位)、鉄鋼(3位)、銀行(4位)、ガラス・土石(5位)となった。