TOPIX -10 @1,921
日経平均 -58円 @27,584円
米国株高にも拘わらず、本日の日本株全般は小幅続落した。日経平均の下げ幅は一時100円を超えた。新型コロナウィルスの、特に感染力が高いインド型(デルタ型)が日本国内だけでなく世界的に感染拡大が止まらない。そのため日本経済および世界経済の景気動向を悲観的に考え易く、ちょっとしたきっかけ売りが優勢となり易い。但し、原理・原則通り、ほとんどの(先行して上昇していて既に株価に織り込み済みを除き)場合、好決算・好業績見通しの銘柄には買いが優勢となる。トヨタ自動車の場合は微妙である。2021年4~6月期の連結純利益(国際会計基準IFRS)が過去最高の8978億円となったが、2022年3月期の通期予想は据え置いたため、売られた。株価が評価するのは確定した過去ではなく、まだ確定していない未来の予想であるという株価の原理・原則を示す典型例だろう。他方、7月の中国の非製造業購買担当者景気指数(PMI)が上昇したことで、中国当局による規制強化が押し下げてきた上海総合指数やハンセン指数が上昇した。これが日本株の下げを軽減した。
日経平均の日足チャートを見ると、上から順番に下向きの60日移動平均線、下向きの25日移動平均線が走っている。さらにその下には下向きの10日移動平均線が走っており、わずかだが株価はその下にある。27,300~27,500円の下値支持線・帯で辛うじて踏みとどまっている。目先は少し大きな悪い材料が飛び出してくると簡単にこの下値支持線・帯は破られそうである。その場合には、次の下げ止まりの目途は26,900円辺り(昨年12月7日高値)である。しかし、もう少し先を見通した場合、新型コロナウィルスの感染拡大は必ず早晩ピークアウトして減少傾向へと転じる。そこからは株価は明確な上昇に転じ、やがて景気過熱感が高まることで金融政策が引き締めに変更されるまでは一進一退を繰り返しながら上昇トレンドを描くと考えられる。勿論、これは楽観的シナリオであるが。
33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、卸売り(2位)、その他製品(3位)、医薬品(4位)、建設(5位)となった。