TOPIX +8 @1,927
日経平均 +201円 @27,782円
注目されていた米連邦公開市場委員会(FOMC)を波乱なく通過した。パウエルFRB議長は量的緩和の縮小(テーパリング)の開始に向けて「今後複数回」の会合で議論すると表明した。声明文も一見すると金融緩和の縮小に前向きなタカ派的は内容だったが、株価や金利に大きな変動はなかった。パルエル議長は非農業部門雇用者数が大幅に増加するまでテーパリングはしないと述べ、最大雇用の目標までまだ遠いと指摘した。今回は市場との円滑な対応をし、2013年の当時のバーナンキ議長が引き起こした「テーパー・タントラム」(市場の混乱)を今回は上手に回避したことで評価される。
本日の東京市場では、好決算の銘柄や半導体、自動車株など輸出関連銘柄への買いが株価指数を押し上げた。ただ、足元では新型コロナウイルスの感染拡大が止まる兆しがなく、秋には国政選挙が控えており、政治リスクも意識され、株価の上昇を抑える力が常に働いている。
米長期金利は3月末には1.7%代まで上昇したが、現在は1.2%代まで低下している。日米金利差は縮小しているのに円高基調にはなっておらず、1ドル=110円前後で推移している。外国為替の決定理論である「アセット・アプローチ」で判断すれば円高・ドル安になるはずだが今回はそうはなっていない。米経済は逸早く回復している中、米長期金利は低下したとは言え、先進国の中ではまだ相対的に高いため、ドル買い・他通貨売り、そのドルで米国債などのドル建て資産で運用しようとする動きが続いている。
日経平均の日足チャートを見ると、小幅反発したが、まだ下向きの10日移動平均線の下にある。下値支持線の手前で踏みとどまってはいるが、力強く反発し始めてはない。悪材料が出てくればすぐに下へ引きずりおろされそうなチャートである。
33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、精密機器(1位)、海運(2位)、電気機器(3位)、金属製品(4位)、情報・通信(5位)となった。