木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳*海外株】1~9月は48%増に、建設銀の純利益

■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。

■米連邦準備理事会(FRB)が29日午後2時15分過ぎに、
米連邦公開市場委員会(FOMC)で、最重要の政策金利である
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5%引き下げ、
年1.0%とすることを全会一致で決定、即日実施しました。

8日の緊急利下げに続き、実に3週間で2回の利下げに踏み切る異例の措置です。
FF金利が年1.0%まで下がったのは、2004年6月以来、4年4カ月ぶり。
同金利がFRBの最重要の政策金利として定着した1990年以降では、
最低水準に並びました。


■しかし、NY株は大きく上昇するかと思いきや、それまでの上昇が逆回転し、
最終的には前日比74ドル安の8,990.96ドルで着地しています。

本日のアジア各国の株式市場はどうなるか。
理屈ではない状況だからこそ、
引き続き企業動向とマネーフローに着目していきたいと考えています。


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●【中国】1~9月は48%増に、建設銀の純利益[経済]
●【シンガポール】資産引き揚げ600億米ドル、機関投資家[金融]
●【韓国】LGがベンチャー強化、財源40%を投資[家電]

※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/
著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。

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●【中国】1~9月は48%増に、建設銀の純利益[経済]


中国建設銀行はこのほど、今年1~9月の業績を発表した。
純利益は842億6,700万元(約1兆1,500億円)となり、
昨年同期と比べ47.6%増と好調な伸びを示した。

9月末時点での純利息収入は1,681億7,000万元で、20.7%増加。
また、手数料収入などが29%増の295億7,200万元となり、
これらの伸びが全体を押し上げた形だ。

同行は、今年に入り外貨債権の投資規模を積極的に縮小。
比較的リスクの高い社債などは機会を見て持分を減少させたことも奏功した。

9月末時点での同行の外貨債権額は年初比で186億米ドル減少し、
資産総額の1.8%にとどまった。<全国>

【木下コメント】
業績が悪化して株価が下落するのは当然だ。
しかし、業績が好調であるにも関わらず株価が
大きく下落してしまっている場合はどう考えればいいのか。
結論としては、「これから業績が悪化する」と株価から判断するか、
もしくは「業績と株価が乖離している」と判断するかの2つしかないわけだ。
では、中国の金融株はどちらか。

私は、“後者”であると考えている。
中国銀行業監督管理委員会(銀監会)はこのほど、
中国の銀行業監督管理委員会(銀監会)の資産総額が、
9月末時点で59兆3,000億元(約800兆5,500億円)に達したと発表している。

また、中国人民銀行(中央銀行)は14日に発表した1~9月の金融統計で、
9月末時点での預金残高(外貨含む)は昨年同期比18.2%増の
46兆6,800億元(約686兆1,960億円)であると発表。
日本は約800兆円の預金残高であるため、
ほとんど変わらない規模となっているのだ。
さらには、外貨準備高が9月末時点で昨年同期比32.9%増の
1兆9,056億米ドル(約191兆4,556億円)にも達し、世界一である。
これだけのお金持ち国の金融がこのままズルズルと後退していくだろうか。

世界を震撼とさせている米金融恐慌の荒波がこれから押し寄せるのだろうか。
私は中国は内需振興が限りなく残されているため、
中国金融業界にはチャンスが多いと考える。


●【シンガポール】資産引き揚げ600億米ドル、機関投資家[金融]

米シティグループによると、海外の機関投資家は今年に入り、
アジアの新興市場で計600億米ドル以上の資産を引き揚げたもようだ。

シティが先ごろ発表した報告書「EPFRグローバル」によると、
シンガポールは7億2,940万米ドル。
このうち1億米ドルは過去4週間で引き揚げられたという。
ただファンド・マネジャーは9月、
韓国の投資判断をアンダーウェイトに引き下げた一方、
シンガポール、香港、インドネシアについてはオーバーウェイトに据え置いている。
9月のファンドの資産売却額は前月比で21%増加している。
域内のファンドはキャッシュ・ポジション比率を増やすより、
株式償還を狙い手持ち資産を売却する傾向があるとしている。
28日付ビジネス・タイムズが伝えた。

【木下コメント】
2005年、米NYダウが横ばいで推移する中、4割も上昇した日経平均株価。
そのときパワーを発揮した外国人投資家の買い越し額は
10兆円を超える規模だった。

その半分程度がアジアの新興市場から引き揚げる、
つまり、売り方に回るとたまったものではない。
日本の時価総額数百兆円という規模が10兆円で4割も引き上げてしまうのだ。
その半分が売り方に回れば、2割、3割下落してもおかしくはない。

ただし、引きあげた資産は、傷を受けたかもしれないが再び戻ってくる。
これはいつの時代も同じだ。マネーは拡散と収縮を繰り返す生き物だからだ。
その動きは、世界各国の利下げが一段落したとき、予兆が見え始めるだろう。
早ければ来年にもマネーは新興国に戻ってくる可能性はある。


●【韓国】LGがベンチャー強化、財源40%を投資[家電]

LG電子は28日に開催した「LGベンチャーCEOフォーラム」で、
有望ベンチャー企業の育成・支援を強化していくことを明らかにした。
来年から未来型移動通信機器、ホームネットワークなどの
新主力事業とエネルギー、環境などの未来型事業に
ベンチャー投資財源の40%を集中する。

ベンチャー企業への積極的な投資を行うほか、
中小企業庁と共同で造成した250億ウォン規模の
「大中小企業協力ファンド」や300億ウォン規模の
「イノベーションファンド」など計600億ウォンの投資財源も本格執行する。

また携帯電話、デジタルテレビ、家電など
既存の主力製品の技術開発強化にも財源の50%を投入する。
さらに、戦略的協力関係が必要なベンチャー企業には
国内外のネットワーク提供や経営コンサルティング、
人材確保などを支援し、共に成長するための基盤を整える計画だ。

白禹鉉社長は「競争が熾烈なグローバル市場の開拓や、
急変するデジタル環境を勝ち残るにはベンチャー企業との
強固なパートナーシップを築くことが何より重要」と強調した。
聯合ニュースなど各紙が伝えた。

【木下コメント】
株式市場や金融市場ばかりを見ていると目を覆いたくなるような惨状だ。
しかし、事業会社を通して市場を眺めると、悲観論ばかりではなくなる。
むしろ、強い企業と弱い企業との差が明確となり、
何に注目しなければならないか、ハッキリしてくる。

なかでも、韓国は事業会社と国家の差が激しくなっている。
ウォン安が続き、再びアジア通貨危機の再来が懸念されている国家に比べ、
民間事業会社の強さは際立ったものがある。

本日紹介しているLGグループはその典型例だろう。
主力のLG電子が20日に発表した第3四半期(7~9月)の連結決算によると、
売上高は12兆90億ウォン(前年同期比21%増)、
営業利益は5,705億ウォン(57%増)だった。
前期比となると減益だが、それでもかなりの善戦だ。

また、世界の携帯電話製造メーカーの中で、
第3四半期(7~9月)の携帯電話端末1台当りの販売価格(ASP)が
最も高かったのはLG電子であることに驚く日本人は多いだろう。
モトローラ、ノキアなどライバル各社の販売価格は
軒並み下落していることを考えれば、
韓国企業のブランドがいかに世界で浸透しているかが分かる。

しかし、株価は全体につられて大幅に下落している。
ただし、株価が戻り始めるときは、こうした強い企業から戻ってくる。
注目しておかなければならない。

※LG Electronics Inc
http://www.reuters.com/finance/stocks/chart?symbol=066570.KS


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 編集後記
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●投資家心理

心理が市場を揺さぶっています。

株式市場には、どうしてもギャンブル性が含まれています。
ギャンブル性を排除することは無理です。

だからといって、ギャンブルと決めつけて投資を行うのも本末転倒です。

どんな相場であっても、日々情報に触れ、
見る目を養っていく努力を行うだけです。
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