TOPIX +21 @1,926
日経平均 +285円 @27,833円
日本が連休中に米国株式相場では主要3指数(ダウ工業株30種平均、ナスダック、S&P500)が揃って史上最高値を更新した。これを好感して東京市場でも鉄鋼や海運などの景気敏感株を中心に買いが優勢となり、日経平均は上げて始まった。前場では一時、500円近く上昇して28,000円台を回復する場面もあった。しかし、買い一巡後は中国当局がネット大手や教育産業を締め付けていることを嫌気して上海総合指数やハンセン指数が大きく下落すると、日経平均の頭を抑えた。国内では、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、オリンピック開催中にもかかわらず東京都は緊急事態宣言下にある。経済活動の正常化はまだ先のようである。
米国株は高値を更新し続けている。それに比べて日本株はかなり出遅れている。日本株が上がらない大きな理由の一つは米実質金利の低下である。米実質金利の低下が近い将来の米国経済の減速を暗示するからである。しかし、米長期金利の低下は、景気減速を織り込んだものとういうより、国債発行の額が減少したところへ、巨額の財政出動と量的金融緩和により過剰流動性が蓄積した米銀が仕方なく運用のため国債を買っていることが原因とも指摘されている。つまり、経済が減速しつつあるのではなく、単に需給が引き締まり、長期国債の価格が上昇し、その結果長期金利が低下しているという解釈である。最新のアナリストコンセンサスによれば、2022年度のEPSは13%増、2023年度は10%増であるが、日本株の動きはこの業績見通しとは逆の動きをしている。どちらが結果的に正しかったかは時間が経てば分かるが、株価は常に将来の期待を織り込んで決まる。その時々の市場センチメント次第で過剰織り込みとなり増幅されたり、反対に過少織り込みとなる。
日経平均の日足チャートを見ると、反発はしたが陰線で終わり、株価は下向きの10日移動平均線の下で推移している。ということは、まだ下げ止まったとは言えないということであり、暫く反発すると戻り売りに押し戻されやすい地合いである。
33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、繊維製品(2位)、海運(3位)、非鉄金属(4位)、機械(5位)となった。