TOPIX -25 @1,907
日経平均 -350円 @27,653円
アジアを中心に世界中で感染者が強いデルタ型の新型コロナウイルスの感染拡大が加速していることを懸念して米国株が下げた。これを嫌気して本日の日本株全般も大きく下げた。日経平均の下げ幅は一時500円を超えた。東京都は5日連続で新規感染者が1000人を超えた。4~6月期の2021年3月期決算での業績改善が製造業を中心に期待されるものの足元の新型コロナウイルスの感染拡大が相場の重しとなっている。さらに、菅政権に対する支持率が低下しており、五輪後の政治不安を懸念する外国人投資家の買いを遠ざけやすい。
ダウ工業株30種平均もS&P500も今月は最高値を更新し、ドイツDAX指数も最高値を更新したが、日経平均は高値更新どころか下落相場へ転換するかどうかの瀬戸際まで追い詰められている。日本の債券市場では、新発2年物国債の利回りが新発5年物国債よりも高くなり、中期的な景気後退局面で発生しやすい「逆イールド」となった。経験則では、五輪開催国の株価は上がることが多いのだか、今回の東京オリンピックはどうなることやら。
日経平均の日足チャートを見ると、強い下値支持線・帯(27,400~27,600円)手前で踏みとどまり、下げ渋りを示す十字線となった。27,400~27,600円の価格帯は1月29日安値(@27,629円)、5月13日安値(@27,385円)、6月21日安値(@27,795円)、7月9日安値(@27,419円)がひしめいており、強い下値支持線・帯として意識される。もし、この下値支持線・帯をも下抜けると下値模索の期間が長くなると覚悟しておく必要がある。
日経平均はこの4日間で1,061円も急落したが、個別銘柄では優利加塾の波乗り銘柄であるN株のように、周りが嵐でもほとんど下げない銘柄もある。悪材料をすべて織り込み、下げ切るところまで下げ切ったからであるが、嵐が吹き去った後はどうなるか?
33業種中32業種が下げた。下落トップ5は、空運(1位)、鉄鋼(2位)、電気機器(3位)、非鉄金属(4位)、ガラス・土石(5位)となった。