大幅反発で10日移動平均線を回復したが・・・

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場は大幅反発した(DJIA +448.23 @34,870.16, NASDAQ +142.13 @14,701.92)。ドル円為替レートは110円台前半での動きだった。本日の日本株全般は大きく上昇した。東証1部では、上昇銘柄数が2,010に対して、下落銘柄数は149となった。騰落レシオは91.88%。東証1部の売買代金は2兆3803億円。

TOPIX +41 @1,953
日経平均 +629円 @28,569円

米長期金利の低下(景気悪化の兆候と解釈された)が一服したことを好感して米国株の主要3指数が揃って史上最高値を更新した。これの流れを受けて、本日の日本株全般は大きく反発した。先週、日経平均先物を売り込んでいた海外投機筋が今日は急いで買い戻しに動いた上に、好調な外需の回復に注目して外需企業、特に製造業の株が買われた。5月の機械受注統計では、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額が前月鬼7.8%増となったが、事前の民間予想の中央値である2.6%を上回った。外需を中心として機械などの設備関連の需要が強いためで、先週末に2022年2月期通期の業績予想を上昇修正した安川電機は出来高を伴って急上昇した。

日経平均の日足チャートを見ると、大きくギャップアップして始まり、そのまま下ひげを引かずに上げて陽線で終えた。6月29日以来、10日移動平均線の下に沈み込んでいたが、今日、その上に浮上した。しかし、25日移動平均線と60日の各移動平均線は収斂してやや下向きになっており、株価はその下にある。これが意味することは、短期の確率的にはまだ売り方が有利であるということである。

長期金利が上げた下げたで市場は騒ぎ立てることが多いが、それに勝るとも劣らず重要なのは長期金利と経済成長率との差である。つまり、「長期金利>経済成長率」か「長期金利<経済成長率」かである。現在の日米欧のように長期金利が下げ切った結果、「長期金利<経済成長率」となっている状態では、政府は国債を増発してでも思い切った財政出動ができる。そしてこの積極財政政策を金融緩和政策と上手にミックスさせると景気の失速をより早く止め、より早く景気回復に向けることができる。但し、積極財政と金融緩和とやり過ぎるとバブルの引き金となるので実際の舵取りは「巧の技」を要求する。

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、機械(1位)、金属(2位)、電気機器(3位)、倉庫・運輸(4位)、建設(5位)となった。


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