木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳*海外株】暴落続く株式市場、1700割れ間近か

■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。

■乱高下著しい株価推移となりました。
寄り付きこそ方向感に乏しい動きでしたが、
後場にかけての急激な戻りが世界各国で見られました。

株価データ(出所:サーチナ)
http://stock.searchina.ne.jp/ 

特に、アジア各国は下落も激しかったですが、戻りも激しいものとなりました。
本日は、中国、韓国、台湾についてお届けしたいと思います。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上ご利用ください。
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●【中国】暴落続く株式市場、1700割れ間近か[金融]
●【韓国】韓国銀、政策金利4.25%に電撃利下げ[金融]
●【台湾】9月の景気指数、ITバブル崩壊以来の低水準[経済]

※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/
著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。

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●【中国】暴落続く株式市場、1700割れ間近か[金融]

週明け27日の上海株式市場は寄り付きから大幅軟化、
上海総合指数は1723.35ポイントと、前週末と比べ6.32%安と暴落して終了した。
深セン市場も同じく暴落し、6.89%安で引けた。

個人投資家の証券取引に関する利息税免除や、
紡績品輸出が来年から輸出割当制を適用されなくなる
とのニュースもマイナス地合いを改善するには至らず、
一方的に売られる展開となった。
アナリストらの間では1700ポイント割れは確実、
との悲観的観測も出ている。<全国>

【木下コメント】
昨日の上海総合株価指数は大幅下落で着地した。
しかし、本日の株価は逆に大幅高となった。
中でも昨日お伝えした金融株の上昇は目を見張るものがある。
世界最大の金融機関である中国工商銀行は、前日比16%の上昇となった。

※Industrial and Commercial Bank of China (Public, HKG:1398)
http://finance.google.com/finance?q=HKG%3A1398 

また、ハンセン指数構成銘柄はHSBCが20.0%高と急騰、
長江実業が16.7%高、新鴻基不動産が9.7%高と
香港不動産セクターも急反発している。

この流れが続くかどうか。まだ分からない。
しかし、昨日お伝えしたように、“これから迫り来る恐怖”によって
2割、3割下落したとしても、3年後、5年後を見越し
“実態より下方に乖離し割安に放置されている”と見るのであれば、
あと何回か本日経験したような大幅上昇は十分ありうる。


●【韓国】韓国銀、政策金利4.25%に電撃利下げ[金融]

韓国銀行は27日、緊急の金融通貨委員会を開催し、
政策金利を0.75ポイント引き下げた年率4.25%とすることを決めた。
下げ幅としては過去最大。
韓国銀は今月9日、同金利を5.25%から5.00%に引き下げたばかりで、
今月だけで1ポイントの利下げとなった。
金融危機の影響による国内景気の後退に対処するのが狙い。
これを受けた政府も近く、追加対策を発表する予定だ。

今回の緊急利下げにより、家計や中小企業の利子負担が
軽減することが見込まれ、流動性不足が解消すると期待される。
韓国銀の李成太総裁は「経済活動が鈍化しており、
雇用も急激に減少しているため、当行が積極的に動く必要があると判断した」
と述べており、国内景気の委縮と経済成長率の急落を防止できると見込んでいる。
同委員会の臨時開催により金利引き下げを決めるのは、
2001年9月の米同時テロ後以来。

追加利下げについて李総裁は、
「内需が急速に後退しているうえ、輸出が堅調を維持すると判断するのは難しい」
と述べ、金融市場の不安を考慮して、
さらなる利下げの可能性があることを示唆した。

【木下コメント】
利下げはそれだけで株価上昇要因にはなりえない。
むしろ、景況感の悪化からさらなる株価引き下げを誘発する可能性もある。

しかし、利下げは景気を改善させるためには、必要不可欠な施策だ。
さらに、世界各国が大幅に利下げを行い、足並みを揃えていることは、
時を経て、景況感を改善させることになる。

97年のアジア通貨危機時において、
国際通貨基金(IMF)から融資を受けた10年前とは健全度が異なるといっても、
アイスランドにおけるサムライ債が実質上のデフォルトとなるなど、
新興国全体に蔓延している不安をぬぐい去ることはできないかもしれない。

それでも、直接韓国を訪問した感覚でいえば、
韓国企業のダイナミックな動きはいずれ景気全体を回復に向かわせると思う。
それほどまでに韓国企業は世界で戦う意思を見せている。
この苦境を乗り切った後、韓国は再び、
新興国の雄として力強い発展を遂げることになると思う。


●【台湾】9月の景気指数、ITバブル崩壊以来の低水準[経済]

行政院経済建設委員会(経建会)が27日に発表した
9月の景気対策信号・総合指数は12ポイントで、
IT(情報技術)バブルが崩壊した2001年12月以来の低い数値となった。
前月の修正値18ポイントから6ポイント下げ、7月に続き、
再び景気低迷を示す「青」に転落した。
リーマン・ブラザーズの経営破たんに端を発した世界的な不況は、
統計にも表れ始めている。

景気対策信号・総合指数は、今年4月まで6カ月連続で、
安定を示す「緑」を示してきた。
しかし5月には1年ぶりに「安定と後退の中間」を示す「黄青」に転落、
さらに7月には「青」が点灯し、景気後退に対する懸念が強まっていた。
8月はいったん持ち直し「黄青」に戻したが、
9月はリーマンショックが影を落とし、再び「青」に転落した。

27日付中央社電、聯合晩報などによると、
台湾経済研究院(台研院)が9月に実施した最新の景気動向調査で、
今後6カ月間の景気が悪くなるとみている製造業企業が
60.9%に達していることが分かった。
8月調査時点の29.5%から大幅に増えている。
「よくなる」とみている企業は4.8%しかなく、8月の20.2%から大きく減った。
「現在と同程度」と予測するのも8月の50.3%から34.2%に減少した。

また、中央大学台湾経済発展研究中心が27日に発表した
10月の消費者自信指数(CCI)は55.22ポイントで、
調査を始めた01年1月以降で最低となった。
前月(54.32ポイント)に続き最低を更新している。

今後半年間の各項目に対する自信指数は▼「株式投資時機」は48.7ポイントで、
前月より4.7ポイント下げた▼「耐久消費財購入の時機」は93.2ポイントで
3.5ポイント減▼「就業機会」は64.9ポイントで2.7ポイント減
▼「景気」は43.6ポイントで0.7ポイント減
▼「物価水準」は18.9ポイントで0.5ポイント減――といずれも下げている。

【木下コメント】
景気は「気持ちの景色」と書く。
そして、株価が景気を表すのであれば、
消費者の景況感は株価を占う上でも非常に重要だ。
それがIT立国である台湾では、
ITバブル崩壊を彷彿とさせるものとなっているようだ。

実際、日本でも、過去97年の山一証券自主廃業や
2003年のりそなホールディングスのときは蜂の巣をたたいたような騒ぎだった。
しかし、実は日本でも消費者態度指数を見ると、
ここ10数年の中で最悪の景況感にある。

それだけ北米が消費のエンジンとなっていたことの証拠だろう。
台湾企業の多くは北米向けが主体であり、
北米の消費こそが台湾メーカーの収益の柱となっていたからだ。

ここにきて、台湾メーカーも下請けにとどまることなく、
自社ブランドを利用する動きも見られ始めている。
アスーステックやエイサーなどは、その走りとなるだろう。

自社ブランドの価値が高まり、消費行動が北米にとどまらず、
新興国全般に広がるのであれば、そのとき台湾メーカーは再び業績が改善する。
また、台湾は北米と現時点では一蓮托生の動きをしているため、
外部から北米の状況が分かるヒントを貰える可能性はあるのだ。


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 編集後記
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●投資家心理

心理が市場を揺さぶっています。

株式市場には、どうしてもギャンブル性が含まれています。
ギャンブル性を排除することは無理です。

だからといって、ギャンブルと決めつけて投資を行うのも本末転倒です。

どんな相場であっても、日々情報に触れ、
見る目を養っていく努力を行うだけです。
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