TOPIX -6 @1,957
日経平均 -103円 @28,861円
米株式市場では主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株価指数(SOX)が下落した。これを受けて、東京市場でも値がさ半導体関連銘柄が売られた。これまで上昇基調が続いてた海運株も利食い売りに押された。日経平均は一時160円ほど下げたが、多く崩れることはなかった。職場や大学など職域接種が始まり、ワクチン接種者数の増加が加速することはほぼ確実となってきたため、経済活動が正常化により早く向かうとの期待が高まっているからである。それを反映して不動産や鉄道など内需関連株が上昇している。先行して上げてきた銘柄を利食い売りし、出遅れていた銘柄が買われるようになってきたようである。
6月10日に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。足元では景気が回復しているにもかかわらず米長期金利が低下傾向となっている。来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。どちらも投資家にとっては重要なイベントであり、量的金融緩和政策の縮小(テーパリング)の議論があるのではないかとマーケットは身構えている。米長期金利が上がらない理由は、現在起こっている景気回復は半年くらい先まで続いた後、来年に入ると景気後退局面に向かい、その景気後退を相場が織り込みつつあるという見方を反映しているとも解釈できる。マーケットは常に6~9カ月先を織り込みながら進むからだ。そして、来年になる頃には、テーパリングの議論は始まっており、相場に織り込みとなる可能性が高い。日本では今年10~12月までにはワクチン接種の効果が明確となり、景気回復が明確になってくるだろう。その時まで米中の景気回復局面が継続していれば良いが、もし、ピークアウトしていたとすると日本株の上昇局面もそこで止まってしまいかねない。
日経平均の日足チャートを見ると、相変わらず横向きの60日移動平均線と上向きの10日移動平均線に挟まれた狭い範囲での小動きが続いているが、今日はザラバで10日移動平均線を一瞬割り込んだ。25日移動平均線もやや上向きに転じてきた。急上昇もないだろうが、急落もなさそうだ。
33業種中19業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、パルプ・紙(2位)、証券(3位)、機械(4位)、保険(5位)となった。