TOPIX +6 @1,920
日経平均 +189円 @28,554円
米国株式相場は主要3株価指数(ダウ工業株30種平均、ナスダック、S&P500)が揃って上昇した。ハイテク株の多いナスダックが上がったことを好感して、東京市場でも半導体などハイテク株の一部が上げた。コロナワクチン接種率が高い米中欧と世界の経済活動は着実に正常化に向っており、その恩恵を受ける日本株は買われやすい。
米国務省が5月24日に、日本への渡航を中止するよう勧告したが、悪材料にはならなかった。日本では、新型コロナウィルスの新規感染者の増加が鈍り始め、今後はワクチン接種の普及が進むと期待されている。米国株に比べて出遅れているからその分だけまだ伸びしろがあり、割安だと投資家は見ているようだ。日経平均は一時、200円超上げた。
緊急事態宣言が延長されそうな雲行きとなってきた。さらに、東京オリンピックの開催を中止するしないの議論が活発になってきた。オリンピック開催を中止した場合を株価は既に織り込んでいるのではないだろか。株式相場は不透明な状態よりも透明な状態を好む。米国の日本渡航禁止措置や国連のグテーレス事務総長が戦時条件を適用して「賠償無し」で東京オリンピックを延期することを提案している。日本は幕末以来ずっと外圧に弱い。
日経平均の日足チャートを見ると、2月16日を起点とするボックス圏の下限の中に少しだけ食い込んで来た。株価は超短期ではジグザグと不規則に動くが、半年とか1年の期間を考察すると合理的な理由があって株価はその方向へ動ていることが分かる。世界経済の正常化への動きと日本国内でのワクチン接種の普及が進むことを考えると、株価はトレンドとして下に動くとは考えにくい。寧ろ、現在の予想PER14~15倍という倍率に割高感は全くなく、売り込まれる理由がなく、トレンドとして上に動くと見るべきだろう。
ドル円相場は膠着状態に入っている。米長期金利がじわじわと上昇しているのに対して、日本の長期金利は上がっていないため、日米の金利差は拡大している。これだけを材料にすれば短期的にはドル高・円安となるはずである。しかし、そうはなっていない。なぜか?それは米国経済が正常化に向っているため米国の輸入が増加し、反対に日本からの輸出が増えているため日本の貿易黒字が増加しているからである。日本の貿易黒字が増えるということはその分だけ外貨(米ドル)収入が増えるので、それを円に換えるためドル売り・円買いが増加し、ドル安・円高圧力となる。つまり、米長期金利の上昇によるドル高・円安の力と日本の貿易黒字増加によるドル安・円高の力が相反する方向で拮抗しているため、今はドル円相場が膠着気味である。
33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、証券(1位)、その他製品(2位)、鉄鋼(3位)、電気機器(4位)、非鉄金属(5位)となった。