日本をはじめ東南アジアの食生活をみると、穀物をさまざまな形に変えて食生活に応用しています。その時に用いられるのが発酵です。
日本では米を発酵させて日本酒を、大豆を発酵させて味噌やしょうゆを作っています。その発酵させるときに麹菌を入れています。味噌を作るには大豆と麹菌と水をまぜあわせます。麹菌は大豆のたんぱく質を消化しやすく分解し、また、うまみの元になるアミノ酸を遊離します。
一般的に、麹菌は菌体内で作ったたんぱく質を菌体外へ分泌産生する機能が特に優れています。麹菌の胞子を滅菌した穀物の表面に植え付けて固体培養することで、多種類の「酵素たんぱく質」を生み出すことができ、さらに培養中にこれらの「酵素たんぱく質」が培地の穀物成分も分解して新しくいろいろな物を作り出します。このように日本の多くの食品には麹菌が使われ、繊細で複雑な味を作り出すもとになっています。
~麹菌から生まれる生命活動の主役「酵素」~私たちヒトや動物は、生きるためには栄養素が大切ですが、生命を維持する上でもっと大切なものがあります。それが酵素です。
ヒトの体内でつくられる酵素には大きく分けて、毎日の食べ物を消化や分解し、栄養素を吸収しやすくするための「消化酵素」と、吸収された栄養素を身体の各細胞に届けて有効に働く手助けや、毒素を汗や尿と一緒に排泄させる等、身体の代謝に関係する「代謝酵素」の二つがあり、それぞれ生命活動の重要な役割を担っています。
「ほしい酵素があったら麹菌を探せ」といわれるくらい麹菌は酵素の宝庫。昭和11年(1936年)、わかもと製薬は、麹菌の中から消化酵素の力価バランスに優れた菌株を発見し、「アスペルギルス・オリゼーNK菌」と名付けました。