短期的な下げ基調は終わったが・・・

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +123.6 @34,207.84, NASDAQ -64.75 @13,470.99)。ドル円為替レートは108円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,394に対して、下落銘柄数が715となった。騰落レシオは88.42%。東証1部の売買代金は2兆1540億円。

TOPIX +8 @1,913
日経平均 +47円 @28,365円

本日やっと東京と大阪では65歳以上を対象としてた新型コロナウイルスワクチンの大規模接種始まった。欧米各国に比べて大きく出遅れている日本におけるワクチン接種率が上がり始め、日本の経済活動が正常化するとの期待から、景気敏感株の買いが優勢となった。米長期金利の上昇に一服感が出ていることもあり、日経平均は一時、260円上げたが、上値は重かった。先週末、米中が取引規制を強化していることを嫌気してビットコインは大きく下落し、投資家心理に悪い影響を与えている。

大型連休明け5月10日~14日の週は海外投資家が現物で4214億円、先物で6914億円、両方を合計すると1兆1000億円強を売り越した。どうりで株式相場が下押しした訳だ。海外投資家は日本におけるワクチン接種率の低さを問題にしているようだ。発展途上国はお金がないためワクチン接種率が低いが、日本はお金は十分あるにもかかわらず接種率が低い「不思議の国」である。先週までに歯科医師や企業の産業医もワクチン接種に協力する見通しとなった。これで少しはワクチン接種の普及が早まるだろう。そうなれば、日本株を押し上げる可能性が高くなる。

日経平均の日足チャートを見ると、先週金曜日にやっと下向きの10日移動平均線の上に浮上してきた。これにより短期の下げ基調が少なくとも一旦は止まったと判断できる。しかし、だからと言って力強く反発するとは限らない。日々の上げ下げは雑音のように規則性のないランダムな動きをするが、少し長めの期間でトレンドを描くにはその背景にそうなる合理的な理由がある。継続的な上昇基調となるためにはそうなる理由がチャートの裏側にあるが、チャートだけを見ていてはそれに気づかない。もし、これから半年くらい先まで株価が反発基調を描くとすれば、その大きな理由はワクチン接種の普及とそれによる経済活動の正常化期待であろう。チャートは相場の杖だが、杖だけでは安全に道を歩けない。常に周りの交通に気を配る必要がある。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、鉱業(3位)、銀行(4位)、保険(5位)となった。

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