TOPIX +19 @1,952
日経平均 +161円 @29,518円
5月7日に発表された4月の米雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回った。非農業部門の伸びは26万6千人で、市場予想の100万人を大きく下回った。普通ならこれは悪材料として解釈されて株は売られるはずだが、今回はむしろ金融緩和が長く続く良い材料として解釈された。その結果、ダウ工業株30種平均とS&P500が史上最高値を更新した。経済が正常化に向かうとの期待が根強く、特に鉄鋼などの景気敏感株が上昇基調となっている。日経平均は一時、320円高まで上げた。ただ、日本では新型コロナウィルス感染の感染拡大が止まらず、ワクチン接種の普及もなかなか進まないため、日本株全体で見ると米国株に比べて出遅れ感がある。
日経平均の日足チャートを見ると、25日移動平均線と60日移動平均線が水平方向で収斂しており、株価は辛うじてその上に浮上してきた。名実ともに株価は横ばいである。しかし、半年から1年くらい先を考えると、やがて日本国内でもワクチン接種率が高くなり、新規感染が明らかに低下し始めると経済活動は正常化へ弾みが付き、コロナ禍で抑えられていた消費需要が一挙に噴き出してきて、株価の大きな上昇圧力となると予想できる。勿論、このシナリオを完全に打ち消すようなもっと巨大な悪材料が飛び出して来ないことが前提であるが。
33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、石油・石炭(2位)、非鉄金属(3位)、その他製品(4位)、パルプ・紙(5位)となった。