大気の状態が不安定ですね。
昨日は当地でも台風並みの強風と突風が吹き荒れ、
宮城県では震度5強、M6.6の地震が観測されました。
日本列島大荒れです。
平安末期、戦国時代そして幕末。
過去の歴史を振り返ると、動乱期には疫病が蔓延したり、
天変地異が集中して起きています。
人心の乱れか、それに伴う政治の混乱に帰するものなのか。
あるいは神仏からの警告、大いなる意志が新時代に向け、変化を促しているのか。
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千二百年前の平安時代初期、都では飢饉による疫病が起こり、
たくさんの方々が苦しんでいました。
嵯峨天皇さまはそのような国家の危機ともいえる状況を
「朕(ちん)の不徳のいたすところである」と仰せになられ、
大変お心をいためておられました。
そのような折、ご厚誼のありましたお大師さまは
嵯峨天皇さまに般若心経の写経による祈願をおすすめになり、
嵯峨天皇さまは一文字書く毎に誠の礼拝を捧げ、
民衆の幸せと安心を祈りお写経をされ、
お大師さまは嵯峨御所において不動明王を中心とした
五大明王に祈願されました。
そして、嵯峨天皇さまの命によって、
般若心経がいかなる経典であるのかということを
宮中で御講讃されたのでした。
そのような功徳によって平安が取り戻されたと伝えられています。
「ちくまん」No.57 冬号より抜粋