明日、4月14日は、旧暦のひな祭りである。子供が、2歳、4歳の頃、童話の「菜の花むすめ」を、何度も女房が読んでやった。
庄屋さんの家では、立派な雛(ひな)の階段があり、貧乏な家の子供は、そのお雛様を見ていた。ところが、意地悪な庄屋は、その女の子を、邪魔だと言って、家から追い出した。
二人の姉妹は、泣きながら、野原まで逃げてきた。すると、どこからともなく、美しい女の人が現れて、菜の花で、お人形を作って子供としばらくの間、遊んでいた。2人の子供は、喜んでその菜の花の人形で遊んだ。気が付くと、その女の人は、いなくなっていた。
その女の人は菜の花の妖精だった。事情を知った妖精は、可愛そうに思い、菜の花のお雛様を作ってやったのだ。丁度、今は菜の花が、咲き終わった頃である。
その時は、おひな様と、菜の花は、季節が違うのだと、思っていたが、旧暦では、丁度、合っている。
童話であるが、貧乏な家の子は、おひな様とは縁のないのが、ほとんどだった。江戸時代では、こうだったのだろう。そんな子供のために、気休めでもよいから、少しの楽しい時間を与えた妖精。
考えてみれば、今の子供の未来のために、大人は、この日本を住みやすくする責務がある。菜の花の妖精が、何人も出てくることを願う。