TOPIX -16 @1,952
日経平均 -22円 @29,709円
米国も日本も景況感は良いが、米国株式相場は高値を更新している一方、日本株は高値を更新できずに高値圏でのレンジ相場が続いている。新年度に入ったのでファンドの益出しやリバランスの売りも出ているだろう。新型コロナウィルス感染が再拡大しているため、東京都は緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の検討に入ったと報じられたが、株式市場はこのような規制強化にはもう慣れたようで、株価はほとんど反応しなかった。そうは言っても、製造業を中心に良好な景気指標が続いているが、株価は上値が重い。
なぜだろう?企業業績が今後もどんどん改善し続けるとマーケットが信じていれば株価は上げ続けるはずだが、今年後半にはピークを打つのではないかという不安が高まってきた。その一つが米国ISM景況感指数の歴史的な高さである。製造業・非製造業ともに60の大台を超えた。過去の経験則では、米ISMが60を付ける少し前のタイミングで株価がピークアウトする傾向がある。足元のISM景況感製造業では37年ぶり、非製造業では過去最高の高さとなった。道理でマーケットが警戒する訳である。
現在の市場予想によれば、米GDPは2021年4~6月期は前年比年率8.0%で成長すると見られている。ただ、7~9月期は6.6%、10~12月期は5.2%に減速して行く。更にその先、2022年は4.0%、2023年には2.2%へとさらに鈍化していくという見通しである。この成長率鈍化という見通しが株価の頭を抑えている。しかし、今回はコロナ禍で消費が強く抑え込まれているため、一旦感染拡大が止まり、明らかに収束し始めるとそれまで抑え込まれてきた消費が爆発する可能性も高い。過去の経験則がいつも当てはまる訳ではない。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日に続き今日も上下にひげを引いた寄引同事線、つまり「トンボ」となり、寄り付き後の売り買いの力は拮抗し、終値ではわずかに安くなった。2月16日以降は保ち合いが続いている。
33業種中29業種が下げた。下落率トップ5は、空運(1位)、銀行(2位)、繊維製品(3位)、電気・ガス(4位)、陸運(5位)となった。