TOPIX +13 @1,967
日経平均 +34円 @29,731円
世界的には景気は回復中という認識が強いが、日本国内では新型コロナウィルス感染の拡大が収束する兆候を示さないため、上値を買い上がろうという動きが乏しい。日経平均は一時170円安まで下げたが、昨日400円近くも下げた割には反発は小さく終値ではわずかに上げただけだった。それでも東芝(米投資ファンドが買収を提案)のように一部の材料の出た銘柄は大きく上昇した。過剰流動性を背景に相場全体が上がる「金融相場」から個別企業の業績動向に焦点を置く「業績相場」へ移行している。
需給面で考えると4月は外国人が買い越すことが多く、上げやすいとうアナマリーがある。その理由は税制にある。非居住者または外国人については二重課税を避けるため株の売却益は日本では課税されないが、配当には課税され源泉徴収される。しがたって、外国人は高配当銘柄を中心に3月末までに一旦売っておき、4月になると買い戻す傾向が強い。これが4月には外国人が日本株を買い越す理由である。2002年から2020年までの19年間では、18回は外国人が日本株を買い越した。しかも、4月の平均買い越し額は6,740億円という大きな金額で12カ月中で最大である。
日経平均の日足チャートを見ると、長い下ひげを引いてトンボの形となった。10日25日60日の各移動平均線は上を向いており、3本が収斂してきて、株価はその少し上にある。しかし、戻り高値が少しずつ切り下がっているので、強気のチャートとは言えない。新型コロナウィルス感染が明らかに下火になったとうような状況にならないと上放れはできないだろう。
33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、海運(2位)、金属(3位)、非鉄金属(4位)、鉱業(5位)となった。