米雇用統計は予想以上に良かったが長期金利は落ち着いている

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場はイースターで休場だった。ドル円為替レートは110円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,494に対して、下落銘柄数は624となった。騰落レシオは128.00%。東証1部の売買代金は2兆953億円。

TOPIX +12 @1,984
日経平均 +235円 @30,089円

4月1日発表のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数や2日発表の米雇用統計はどちらも市場予想を大幅に上回った。これがインフレが懸念される局面だったら国債が売られて長期金利が急上昇しただろうが、今はそうならない。景気回復を伴っているからだ。2021年の米実質成長率は、直近の民間予想平均が5.7%と推定されており、2020年末の3.9%から大きく上昇している。つまり、それだけ景気回復をしているということであり、最近の金利上昇は景気回復の裏付けがあり、それ故問題ではないと市場は安心し始めた。さらに、米雇用統計は確かに市場予想を上回る改善となったが、コロナ禍前とくらべると依然として多くの職が失われたままであるため、FRBが急速に金融緩和縮小に動くとは思えない。ということは、これまでの長期金利の上昇は債券投資の魅力を増し、その分だけ長期金利の下押し圧力となる。したがって、株式にも年金や投資信託などの機関投資家らからの資金が流入しやすくなった。足元の米長期金利は1.7%台であり、S&P500種株価平均の配当利回り(1.4%程度)よりも高い。ワクチン接種が世界的に進展しており、米国では大型の財政出動も実施されるため、マーケットは総じて強気である。これらを受けて、本日の東京市場では、ソフトバンクグループやファーストリテイリング、SCREENホールディイグスなどの主力値がさ株だけでなく、海運、鉄鋼、銀行などの景気敏感株も買い優勢となった上げた。

日経平均の日足チャートを見ると、2日連続で窓を空けて3日続伸となった。ただ、日足は「十字線」となり、売り買いの力は寄り付き後は拮抗している。3月18日の戻り高値@30,485円を上抜けできるかどうかに注目したい。野村HDは5日ぶりの陽線となり切り返して下げ止まりの兆候を示した。

33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、証券(2位)、銀行(3位)、卸売り(4位)、空運(5位)となった。

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