TOPIX -24 @1,954
日経平均 -254円 @29,179円
米長期金利が1.75%まで上昇したため、さらなる米長期金利の上昇を警戒して米国株式相場は反落した。この流れを受けて、本日の日本株全般も下げる銘柄が多かった。米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの高レバレッジ取引失敗による金融機関への悪影響がどの程度まで拡大するのかが現時点では不明で、投資家心理を悪化させている。東京市場では、悪影響は一部の金融株に限定されているが、今後一番懸念されることは、当局による規制強化である。他方、米長期金利の上昇により円安・ドル高基調となっており、自動車株など輸出関連株は買い優勢となった。
日経平均の日足チャートを見ると、10日および25日移動平均線は収斂しながら下向きとなっており、株価もほぼ同じ軌跡となっている。チャートだけで見ると、ちょとまずい形ができつつある。ただ、個別株は必ずしも日経平均と同じ動きをするわけではない。日経平均構成銘柄でない銘柄は特にそうであるし、業績見通しが良い銘柄も日経平均との連動性は低い。
昨日、アルケゴス・キャピタルとの絡みで野村HDの株価について触れたので、今日も少しだけ触れておく。昨日の「たくり線」の後、少しだけ高寄りして始まったがその後は売りに押されて長陰線で終えた。昨日の安値を更新してはいないが、まだ下げ止まりの兆候は見えない。数日間、安値を更新しなくなることが最初の下げ止まりの兆候となる。2022年3月期の予想税前利益が3,400億円なのでこれから2,200億円の推定損失を引くと、税前利益は1,200円に減少する。すると税引き後利益は917億円程度なので、予想EPSは28.45円まで低下する。これに最近のPER=7.5倍を掛けると、株価は28.45x7.5=213円まで低下することになるが、話はそんなに単純ではない。株価は常に先の先を見ているので、早晩、2023年3月期の予想EPSを取り込んで来るはずだ。今回の特別損失が1回限りで終るとマーケットが納得すれば、株価評価のベースは再び元に戻ることになる。
33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、銀行(1位)、ゴム製品(2位)、その他金融(3位)、陸運(4位)、金属製品(5位)となった。