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お薦め書籍 「ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち」
書名:ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち
著者:バートン・ビッグス
訳者:望月 衛
タイトルは胡散臭いですが、内容はいたってまともです。著者は長年に渡りモルガン・スタンレーで活躍してきて、2003年に自らのヘッジファンドを立ち上げ、今も現役で相場を張っている人です。本の流れとしては、金融業界で知り合ってきた特徴ある人々を紹介しつつ、そこに自らの相場の経験や様々な本からの引用などを書いていく形式になっています。投資方法の指南本ではありませんが、文章は教養もユーモアもあり読んでいて面白く、また金融業界の内幕的なことも書かれているので、相場での影響力が増してきているファンド勢の動きを想像したり、ファンドに投資したいと思っている人には、参考になるのではないかと思います。
でも、この本は実用面で役に立つかどうかよりも、投資の世界にある程度浸かっている人が、ヘッジファンドはこういうことやってるのかとか、自分で相場張っててもこういうことあるよなーとにやにやしながら読んだり、過去の様々なケースから何かを感じ取ったりする本ではないかと思います。『マーケットの魔術師』を読んで面白いと思う人は、多分この本も楽しめると思います。
初心者向けの本ではないので相場用語は遠慮なく使われています。以下に本文の一部を抜粋しますが、このくらいの文章は平気、という人が読むのが良いかと思います。
「デリバティブは特定のリスクを移転するように設計されているが、定義によって、実はシステミック・リスクを増加させるものである可能性が高い。というのは、デリバティブのせいで、主要な金融機関は今やすべてクモの巣に絡め取られたようにつながっているからである。LTCMの崩壊で、私たちは、リスクを積極的にとった投資による死の循環で金融市場が崩壊するという恐ろしい構図を見た。また、世界最高の数学者や天才でも、リスクを計算して管理する能力という点では絶対に信頼してよいというわけではないことも思い知らされた。」
「カンファレンスにはいろいろな部族が現れる。まずはプロフェッショナルで、大手ファンド・オブ・ファンズや財団法人、寄付基金、年金基金からやってきた人たちだ。彼らは退屈しきった冷笑的なまなざしとその気のない握手が特徴である。純粋に仕事でカンファレンスに来ているのであり、馬の目利きみたいなことが彼らの仕事なのだ。」
以下は、私の個人的な考えになりますが、相場について書かれた本で、相場で利益を上げるのに参考になるのは実際に自分で相場を張っていた人の本だけだと思います。よく元外資金融機関勤務の人が書いた投資本や相場本がありますが、そういう人は大抵は元営業だったり元アナリストだったりして自分で相場を張っていた人ではないので、一般論や後付けの説明に終始しがちです(最近読んだ中では、松○○輔の本が酷かった)。そういう人たちは「相場の動きに理由付けをする」のや「企業価値を分析する」のが仕事であって、「相場で利益を上げる」のが仕事ではないから、当然と言えば当然なのですが。これは、テレビや雑誌に出てもっともらしいことを言っている株式評論家やアナリストの方々にも当てはまることだと思います。(誤解しないでいただきたいのですが、私は彼らを卑下しているわけではないです。相場に関わる業務の中でそういう役割があるのは理解していますし、要求されるアウトプットに対しては立派に仕事をしていると思っています。)
少し横道にそれてしまいましたが、結局言いたいことは、相場で利益を上げるのに参考になる本は実際に相場を張った人の本で、本を選ぶときには著者の経歴も見たほうが良いでしょう、ということです。
著者:バートン・ビッグス
訳者:望月 衛
タイトルは胡散臭いですが、内容はいたってまともです。著者は長年に渡りモルガン・スタンレーで活躍してきて、2003年に自らのヘッジファンドを立ち上げ、今も現役で相場を張っている人です。本の流れとしては、金融業界で知り合ってきた特徴ある人々を紹介しつつ、そこに自らの相場の経験や様々な本からの引用などを書いていく形式になっています。投資方法の指南本ではありませんが、文章は教養もユーモアもあり読んでいて面白く、また金融業界の内幕的なことも書かれているので、相場での影響力が増してきているファンド勢の動きを想像したり、ファンドに投資したいと思っている人には、参考になるのではないかと思います。
でも、この本は実用面で役に立つかどうかよりも、投資の世界にある程度浸かっている人が、ヘッジファンドはこういうことやってるのかとか、自分で相場張っててもこういうことあるよなーとにやにやしながら読んだり、過去の様々なケースから何かを感じ取ったりする本ではないかと思います。『マーケットの魔術師』を読んで面白いと思う人は、多分この本も楽しめると思います。
初心者向けの本ではないので相場用語は遠慮なく使われています。以下に本文の一部を抜粋しますが、このくらいの文章は平気、という人が読むのが良いかと思います。
「デリバティブは特定のリスクを移転するように設計されているが、定義によって、実はシステミック・リスクを増加させるものである可能性が高い。というのは、デリバティブのせいで、主要な金融機関は今やすべてクモの巣に絡め取られたようにつながっているからである。LTCMの崩壊で、私たちは、リスクを積極的にとった投資による死の循環で金融市場が崩壊するという恐ろしい構図を見た。また、世界最高の数学者や天才でも、リスクを計算して管理する能力という点では絶対に信頼してよいというわけではないことも思い知らされた。」
「カンファレンスにはいろいろな部族が現れる。まずはプロフェッショナルで、大手ファンド・オブ・ファンズや財団法人、寄付基金、年金基金からやってきた人たちだ。彼らは退屈しきった冷笑的なまなざしとその気のない握手が特徴である。純粋に仕事でカンファレンスに来ているのであり、馬の目利きみたいなことが彼らの仕事なのだ。」
以下は、私の個人的な考えになりますが、相場について書かれた本で、相場で利益を上げるのに参考になるのは実際に自分で相場を張っていた人の本だけだと思います。よく元外資金融機関勤務の人が書いた投資本や相場本がありますが、そういう人は大抵は元営業だったり元アナリストだったりして自分で相場を張っていた人ではないので、一般論や後付けの説明に終始しがちです(最近読んだ中では、松○○輔の本が酷かった)。そういう人たちは「相場の動きに理由付けをする」のや「企業価値を分析する」のが仕事であって、「相場で利益を上げる」のが仕事ではないから、当然と言えば当然なのですが。これは、テレビや雑誌に出てもっともらしいことを言っている株式評論家やアナリストの方々にも当てはまることだと思います。(誤解しないでいただきたいのですが、私は彼らを卑下しているわけではないです。相場に関わる業務の中でそういう役割があるのは理解していますし、要求されるアウトプットに対しては立派に仕事をしていると思っています。)
少し横道にそれてしまいましたが、結局言いたいことは、相場で利益を上げるのに参考になる本は実際に相場を張った人の本で、本を選ぶときには著者の経歴も見たほうが良いでしょう、ということです。
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『よく元外資金融機関勤務の人が書いた投資本や相場本がありますが、そういう人は大抵は元営業だったり元アナリストだったりして自分で相場を張っていた人ではない』>三ツ星レストランで働いていたウェイターが書いたレシピ本みたいなもんですよね、まあ、僕なんかよりはよっぽどその道に関しては知っているはずなので、一見とても有益な情報に見えてしまうのが怖いところです。
最近はビクター・ニーダーホッファー氏が1997年に破産した時のインタビューを読みました!テレビでも放送されたようなのでどうにかして見てみたいですね。
ビクター・ニーダーホッファー氏の話は、NHKスペシャルの「マネー革命」でしょうか?私も本は読んだことはあるのですが、映像は見たことはないです。
ちょっと探してみたんですけど、ニコニコ動画でマネー革命見れるみたいです!アカウント持って無いのですがこれを機に登録してみようかな・・・
http://hashdb.com/1751708de3e45b8e212777e5b54b4fd8