TOPIX -13 @1,929
日経平均 -218円 @30,018円
短期的な高値警戒感から利益確定売りが優勢となっているが、今のところは自然な調整である。今週は日経平均は30,000円台で推移している。日経平均は一時下げ幅が300円を超えたが、景気回復期待は根強く、下げるとすかさず押し目買いが入った。「財政出動+金融緩和+ワクチン接種の普及」により株式相場の大きな崩れはないだろうとマーケットは見ている。
一つ気になる点は長期金利の上昇である。景気回復が進めば長期金利も上昇するのが自然である。米国では財政出動やワクチン接種の普及により景気が急速に回復するとの期待から長期金利が上昇している。日本の長期金利も米国の長期金利と連動するように上げてきて0.1%を超えた。今のところ、現在の長期金利の上昇は景気回復期待と連動しており、ある意味で「良い金利上昇」である。したがって、株価に即悪い影響を与えるわけではない。ただ、米国では原油先物価格が1年1カ月ぶりの高値となり、物価の先高が懸念される。10年物のBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)は2月に入り2.2%超まで上げてきており、これは2014年以来の高水準である。FRBがこれからどのように金融政策を舵取りをするか注意すべきだろう。ある程度景気回復が実現したら、どこかでテーパリングを開始するはずだが、そこから株価が下げ始める可能性が高いからだ。
日経平均の日足チャートを見ると、2月16日に30,714円のザラバ高値を付けた後、3日続落した。しかし、60日、25日、10日の各移動平均線は上向きであり、株価は一番上を走っている10日移動平均線の上で推移している。つまり、株価サイクル3(着実な上昇局面)であり、この局面内での調整と見ている。もし、調整が少し長引くとすると上向きの25日移動平均線に接するくらいまでの調整はありうる。
33業種中30業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、空運(2位)、陸運(3位)、石油・石炭(4位)、証券(5位)となった。