過剰流動性相場から徐々に業績相場に移行

優利加さん
優利加さん
昨日の米国株式相場はプレジデントデイのため休場だった。ドル円為替レートは105円台半ばの前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方がが多かったが、株価指数は大幅上昇した。東証1部では、上昇銘柄数が846に対して、下落銘柄数は1,251となった。騰落レシオは109.98%。東証1部の売買代金は3兆252億円。

TOPIX +11 @1,965
日経平均 +384円 @30,468円

昨日、日経平均は大台の30,000円台を30年半ぶりに回復したためその達成感から今日は利食い売りが優勢になるのではないかというのが大方の予想だったが、蓋を開けてみれば大幅続伸した。日経平均の上げ幅は一時500円を超えた。米国では追加経済対策が引き続き期待され、日本国内では企業業績が予想を上回るペースで回復していることが分かり、さらに今週から日本でもコロナワクチンの接種が始まるが、新規感染者数は減少傾向となっている。これらすべてが日本株相場を押し上げている。現在は、過剰流動性相場から徐々に業績相場に移行しているようである。

株価以外でも銅や原油などの商品価格が上がっている。「リスクオフ」の時は「安全資産」と見なされる円が買われて円高傾向となり易いのだが、足元では「リスクオン」となり円が対ドルや対ユーロで売られて円安となっている。リスクオンを促したのはイエレン米財務長官のG7財務総・中央銀行総裁会議での「Go Big(景気刺激策を大胆にやれ)」発言である。

他にも株式市場にお金が流れ込んでいる理由がある。日米欧州など世界主要国の国債の利回りが低すぎて、ファンドなど長期投資家は安全資産だけでなくリスク資産でも運用せざるを得ない状況に追い込まれている。景気回復が力強く進み、それに合わせて長期金利が上昇し始めるまでは株式相場には追い風として作用しそうだ。逆に言うと、長期金利が明確に上げ始めると、或いは中央銀行、特にFRBが現在の金融緩和政策から金融引き締め方向へ舵を切り始めると、株式相場は確実に下げ相場に転じるはずである。

最近の日経平均の上昇ぶりを見てバブルを心配する識者が増えてきたが、まだバブルには程遠い。バブルならほとんどの業種が上げるが、上げているのは一部の業種だけである。2019年末から日経平均は29%上げた。しかし、上げているのは電気機器(51%高)や輸送用機器(39%高)など36業種中7業種だけであり、反対に空運(33%安)や鉱業(23%安)など9業種はマイナスである。

日経平均の日足チャートを見ると、上向きの25日移動平均線からさらに上方乖離して25日移動平均線乖離率は5.9%へ拡大した。昨年6月8日には10.2%まで乖離したことがあるが、通常は7%くらいが目いっぱいの乖離率である。勢いがあるのでもう少し上げるか?

33業種中24業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、非鉄金属(2位)、海運(3位)、その他金融(4位)、その他製品(5位)となった。

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