TOPIX +5 @1,931
日経平均 +57円 @29,563円
2020年4~12月期の決算発表が相次いでいるが、従来からの予想通り業績改善が顕著になっている。特に製造業の業績が急回復している。さらに、日本でも新型コロナウィルスに対するワクチン接種が始まり、経済活動が正常化に向かうとの期待も膨らんでいる。これを裏付けるように、トヨタが2021年3月期通期の業績見通しを上方修正した。米国株に比べると日本株はまだ出遅れている銘柄が多く、外国人投資家が買う余地は大きいだろう。
日経平均の日足チャートを見ると、2月8日の大幅高の後、利食い売りをこなしながらも下げることはなく小幅続伸となった。注目すべきことは、株価は上昇しているが予想PERは徐々に低下していることだ。これは株価上昇に業績改善の裏付けが伴っていることを示す。ただ、PERが下がったと言っても、まだ24~25倍であり、日本の潜在成長力(2%くらい)から推定したPER=17倍と比べるとまだ高い。しかし、このPERから見た「ギャップ=割高感」は業績見通しが改善するに連れて縮小するので、今、このギャップだけに心奪われて騒ぐことでもない。一部の経済評論家など識者はバブルだと騒いでいるが無視しておけば良い。但し、今は上げ相場だが、いつか必ず下げ相場になる。その時は、買い向かうのではなく素直に売りから入れば良い。個人が株式投資・トレードで損をするほとんどの原因がこのように「売りと買いを単純に間違える」ことである。買い始めるのは底打ちしたかなと判断できるチャートの形となってからである。下げ止まったかどうかはチャート分析だけでもかなり分かるが、そこから反発して上がるかどうかはチャート分析だけでは不十分で、業績見通しと相場の背景の理解というファンダメンタルズ分析が不可欠である。この点がチャート分析万能主義者の弱点である。
33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、ゴム製品(1位)、パルプ・紙(2位)、その他製品(3位)、輸送用機器(4位)、証券(5位)となった。