NY上昇、目先底打ちか

20日の日経平均は9005.59円(311.77円高)と大幅に戻し9000円台を回復。水準としては、日足転換線9239よりも少し下のところで頭を抑えられているが、下値は確実に切り上げてきている。買い上げてゆく勢力と売る勢力との綱引きで三角持合の形になっており、今日以降どちらに離れるか要警戒だ。だが日足のRCIは上げ始めており、MACDは下げどまっている。ボリンジャーバンドもマイナス2シグマからマイナスσの中間まで戻してきており、NYが落ち着いていれば、目先は上昇を続ける可能性が高いのではないだろうか。ただしまだ日足の転換線をぬけられていない。転換線付近でたたかれて、再び下落してしまう危険もある。NYが堅調なら引っ張られて転換線を回復することができるかもしれない。もっとも日足基準線10260、週足転換線10597はまだ遥か上でトレンドの転換には距離がある。

20日のNYダウは926543(+411.46)4.65%と大幅に上昇した。ほぼ高値で引けているので、引け味はいいようだが、ボリュームが乏しいのが気にかかる。国際的な金融不安への対処がすすみつつあるのと、バーナンキ議長の議会証言が不況対策の必要に言及したことが、きっかけとのこと。日足の水準としては転換線9003を超えてきてリバウンドの領域にはいってきており、日足RCIも上昇、MACDも底をはっている感じになっており、とりあえず下げ止まって日足基準線9682あたりまでは戻してくる可能性がでてきそうだ。ただし週足の転換線は9836と、さらに高く中期トレンドの転換まではこちらも相当な距離がある。戻りが一巡すれば息切れするかもしれない。

為替は、日足は転換線100.60を超え基準線102.88に向かう動き。日足のRCI、MACDはドル高方向にもどしつつあるので、目先ドル高への戻りがありそうだが、週足の転換線104.10、基準線104.29、雲の下限103.85が厚く上蓋のようになっており、上値を追うのは困難な印象だ。しかしドル安方向も、下ひげを出して二番底をつけた形になっていて、動きにくい感じにはなっている。上値が切り下がり下値がきりあがって三角持合が煮詰まりつつあるので、なにかのきかっけでどちらかに動くかもしれない。目先政策期待でドル高に動く可能性もあるが、アメリカ経済の不況突入という状況で、ドルが底堅いことはやや不自然な気がしないでもない。月足MACDは底ばっているが、長期の振幅をよくうつす月足のRCIは、ドル安方向に動きはじめており、長期的な方向は、どうもやはり円高方向ではないかと思われるが、はっきりとは読みにくい。

どうやら、世界大恐慌の不安は少し和らいでいるようだ。世界恐慌の不安がなくなるのであれば、PBRが一倍という日本株は底を打つと考えるのが妥当であろう。週末のNYが小安く引けたのに東京が堅調に上昇したことは、日本株の相対的な強さーただし日本経済の底力といよりも、日本株が下げすぎて低水準であるということを示唆しているのかもしれない。NYがどれくらい戻すかがこれからの注目だが、実体経済の悪化が日増しに強くなってゆくなかで、政策対応を期待しては上げ、政策対応が遅れれば失望売りにさらされるという繰り返しになりそうだ。
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