TOPIX +6 @1,864
日経平均 +292円 @28,457円
バイデン次期政権による米国の大規模追加経済対策への期待が依然として強く、これに原油相場の上昇基調も加わり、株式相場を支えている。日経平均は4日続伸し、上げ幅は一時340円に迫った。緊急事態宣言の対象地域が拡大しており、消費活動は冷え込むことがほぼ確実視されているにも拘わらず株式相場は陶酔するかのように上げ続けている。株式相場は依然として、次の不等式を信じている。
巨額の財政出動+大規模金融緩和+ワクチンの普及>新型コロナウィルスの感染再拡大による経済へのマイナス効果
世界の株式相場は陶酔状態にあるが、米長期金利の上昇が投資家たちをこの陶酔から目覚めさせるきっかけとなるかもしれない。米長期金利の上昇の原因は(1)大規模財政出動のための国債増発懸念、だけでなく、(2)複数のFRB高官たちの金利についてのタカ派的発言、の2つが考えられる。もし、米長期金利が分水嶺(1.50%くらいか?)を超えてくると、株式相場は陶酔から目覚めて、逆回転し始めるかもしれない。「治に居て乱を忘れず」が肝要である。
日経平均の理論株価をざっくりと計算してみよう。株主資本コストrを8%、遠い将来までの日経平均ベースEPS成長率g(=日本経済のGDP成長率)を2%とする。足元の予想EPS=1,087円。現在の実際の日経平均株価PはどれくらいのEPSの増加を織り込んでいるだろうか?予想EPSを1,700円として見ると、
P=EPS/(r-g) =1,700/(0.08-0.02)=28,333円
となり、ほぼ現在の株価となる。ということは現在1,087円のEPSが56%増となることを織り込んでいる。
日経平均の日足チャートを見ると、4日続伸で力強く上げている。ただ、25日移動平均線乖離率が5.3%まで上げてきたので、短期的な過熱感が警戒され始めてもおかしくない。
33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、海運(3位)、金属(4位)、ゴム製品(5位)となった。