TOPIX + @1,775
日経平均 +8円 @26,809円
新型コロナウィルスのワクチンが早期に普及することにより世界経済の回復が早まると期待されている。景気敏感株を中心に買われて、日経平均は終値ベースで1991年4月以来29年7カ月ぶりの高値を連日で更新した。ただ、短期的な過熱感が高まっているため、上値は重い。一つには、ワクチンが実用化されても接種率がどの程度固くなるか、普及速度がどの程度か、副作用はあるのかないのかなど、今の段階では不透明な点が少なくないからだ。また、新規感染者数は増加しており、外出を自粛する人が増加しているため、経済には下押し圧力となっている。
仮にワクチンが期待通りに普及して、且つ、その効果を発揮して経済が明らかに回復基調に転じると、超緩和的な金融緩和政策は正常化に向かうと見られる。すると過剰流動性を背景とした金融相場は終わる。それまでに業績相場へと移行できていなければ、大きな調整が起こる。米国の長期金利は特に重要である。長期金利が1%を超えることは当面はないと見られるが、理論的に考えると長期金利が上がると成長株が売られ、バリュー株が買われやすくなることは事前に理解しておく必要がある。
日経平均の日足チャートを見ると、高値更新ピッチが鈍り、やや頭打ちになりつつある。小休止はあっても当然である。10日移動平均線が上向きで、且つ、株価がその上にある限りは買いポジション維持がが「定石」である。ただ、いつまでも上がり続けないので、十分に利が乗ってきたら買い玉の一部を売りつなぐことで「潮の流れ」を再確認することも有効な戦術である。
33業種中17業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、パルプ・紙(3位)、非鉄金属(4位)、輸送用機器(5位)となった。