TOPIX +6 @1,774
日経平均 +13円 @26,801円
新型コロナウィルスのワクチン開発の早期実用化を期待して日経平均は連日で1991年4月以来の高値を更新している。取引開始直後は100円超上げた。だだ、約29年7カ月ぶりに27,000円台に回復する目前となり、急ピッチな上昇に高値警戒感も強まっており、上値は重かった。
特にワクチンの早期実用化と長引きそうな世界的過剰流動性が今の株式相場を支えている。ファンダメンタルズを反映しない上昇であると眉をひそめる評論家やエコノミストが少なくないが、彼らは間違っている。株価は過去から現在までに既に分かった事実ではなく、遠い将来に向けてその企業が稼ぐであろうフリーキャッシュフローの予測を常に修正しながらそれを現在価値に割り引き、さらに一株当たりの価値(理論株価=フェア・バリュー)に落とし込みながら先へ先へと進んでいく。ただ、現実の株価はこの理論値からオーバーシュートして大きく乖離することがある。また、将来のフリーキャッシュフローの予測値は事業環境の突然の変化により小さくなったり(今年2月初旬~3月中旬)、逆にそれまでのコンセンサスよりも大きくなったりする(3月中旬~現在)こともある。足元の日経平均のPERは24.5倍まで上昇してきた。これをどう解釈すべきだろうか?経済が巡航状態の時ならPER=24.5倍は高すぎると警戒すべきかもしれない。しかし、今はどん底に落ちてからの回復期なので今の業績見通しでPERを測れば大きな数値が出るのは当然である。企業業績は止まっていない、動いている。したがってPERは静態的ではなく動態的に判断しなければならない。例えば、一株当たり利益EPS=100円で2,450円の株があるとする。PER=2,450/100=24.5倍である。これは必ずしも割高だとは言えない。もし、向こう3年間で年率30%成長するなら、3年後のEPS=100 x 1.3^3 =219.7円となる。ということは3年後のPERは2,450÷219.7=11.15倍となり、割高どころかむしろ割安となる。PERはこのように読まなけらばならない。
日経平均の日足チャートを見ると、戻り高値を更新して上方新値13本となった。新値の経験則で見る限り、目先の上昇余地は新値1本であり、その後は頭打ちとなるか少しくらいの調整が予想されるが、相場は常に定石通りに動くわけでない。新値だけを根拠に空売りはすべきではない。空売りすべきタイミングは頭打ちとなってから、反落し始めた時である。
33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、ゴム製品(1位)、非鉄金属(2位)、海運(3位)、証券(4位)、水産・農林(5位)となった。