木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳のつくり方】信認の危機、克服へ正念場

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みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

■1000円単位で動く日経平均株価が当たり前になってしまった10月。
ここは絶好の買い場、と考える投資家の声も聞こえてくる一方、
「世界恐慌だから手を出してはいけない」という専門家の声も聞こえてきます。

■しかし、いまこのタイミングで「金融事象」に目を奪われているだけでは、
将来のリターンを逃すことになると考えています。

恐慌に隠された、歴史や理論を考えていくことで、
目の前にある危機におびえるのではなく、
将来を見据えた光明も見えてくるのではないか、と考えています。

本日は、それらの観点を、私なりに簡潔にまとめています。
ひとつでも、投資判断の参考になれば、と考えます。

●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

本日もよろしくお願い申し上げます。

※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

1.信認の危機、克服へ正念場

2.欧州中銀、域外の金融安定化支援

3.最初の師、添削を受ける

http://www.terunobu-kinoshita.com/20081016-toushinou.pdf

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1.信認の危機、克服へ正念場

(出所)2008年10月16日付日本経済新聞朝刊1面より

 ●コンフィデンス・クライシスを見抜けなかった
 ●世界経済がティッピング・ポイントを迎えた
 ●「中国」が救世主になる可能性は?

サブプライムローン問題が尾を引くことは分かっていた。
それが、米NYダウを押し下げ、14,000ドルがピークとなることは、
昨年の夏から警鐘を鳴らしてきた。
「27人のすごい議論」(文藝春秋刊)に寄稿したとおりだ。
しかし、事態が「資本主義システムの崩壊」と呼ばれるほど、
また、1日に日経平均株価が1,000円単位で
上下することまでを想定することができなかった。

そこまでの恐慌を予想できなかった一つの理由に、
「コンフィデンス・クライシス」(信認の危機)への造詣が浅かったから、
と言わざるを得ない。
そのことを、本日の日本経済新聞「経済教室」に寄稿している
元財務相竹中平蔵氏は、以下のように分析している。

●今の危機はサブプライム危機という以上に、
「政府がもはや事態をコントロールする能力を欠いているのではないか」
という懸念が広がるコンフィデンス・クライシスであるといえる。
それだけに最後の信用のよりどころとして政府・中央銀行が
なりふり構わず事態収拾に動くしかない。

また、今回の米欧の危機に対していままでの危機との相違点を述べている。

●これまでも世界経済について様々な懸念が生じてきたが、
今回の危機でこれらが一気に顕在化する
「ティッピング・ポイント」(沸騰点)が到来した。
非常事態を意識し、最悪のシナリオをも想定した対応が欠かせない。

世界の株式市場が同一に壊滅的な下落を演じている。
しかし、私は「中国」がこの恐慌を抑える可能性が出てきているのではないか、
という期待と仮説を考えている。
詳細は「投資脳のつくり方(海外株バージョン)」で述べている。
ご興味ある方はご覧いただきたい。
(海外株版)http://minkabu.jp/blog/show/93844


2.欧州中銀、域外の金融安定化支援

(出所)2008年10月16日付日本経済新聞朝刊1面より

 ●スイス、デンマークと欧州各国が通貨危機に見舞われている
 ●欧州の施策もコンフィデンス・クライシスの前では効果薄
 ●パラダイムシフトの局面をどう捉えるのか

欧州中央銀行(ECB)は15日、欧州金融市場の安定に向けた追加策を発表した。
スイスフラン建て短期金利の高騰を抑えるため、
ユーロ圏内でスイスフラン建て資金供給を実施する。

また、デンマークは通貨急落に対応するため
単一通貨ユーロに参加する方針を表明。
欧州各国政府・当局による金融危機の拡大阻止に向けた対策が加速してきた。

これら一連の欧州の動きは、いままで足並みが米国に比べて
遅れていたことから比べると矢継ぎ早に行っている印象すらある。
しかし、前項で述べたように、政府に対する「コンフィデンス・クライシス」
(信認の危機)が投資家に蔓延している以上、株式市場に即効性はない。

アジア通貨危機を振り返ってみると、韓国はIMFの管理下におかれ、
世界へ雄飛しようとしていたアジア各国は軒並み壊滅的状態に陥った。
日本の識者はみな「回復に10年はかかる」と語っていた。

今回の事例はどうか。
たしかに、けん引役であるアメリカが落ち込むという事態を考えると、
連動するという見方もできる。
しかし、1972年当時を振り返ると、新興国であり、かつ無資源国であった日本が
オイルショックという資源恐慌を乗り越え発展を遂げたように、今回は、
新興国がマネー恐慌を乗り越えるのではないか、と考えている。

それだけのパラダイムシフトが起こっている局面だからこそ、
暴落と暴騰を繰り返すのだと考える。


3.最初の師、添削を受ける

(出所)2008年10月16日付日本経済新聞朝刊40面より

 ●模倣は創造の第一歩
 ●模倣は、努力と向上心、そしてある程度の知識が必要
 ●苦しい時こそ、模倣に励む

株式市場に携わっていると、規模の大小はあれ
いつもこうした苦しいタイミングばかりを経験しているように思う。
私が初めて株式投資にかかわった1995年、
金融危機がこれからやってくるという、
いま考えれば投資をしてはいけないタイミングだった。
その後、アジア通貨危機、国内金融恐慌、
さらにITバブル崩壊、不祥事等々、数えだしたらきりがない。

しかし、その時々に問題となる事象を、分析し、
正しかったことと間違えたことを、
自分なりに咀嚼して体の血肉にしておく必要があると思う。
それには、まず“模倣すること”とする、
今月「私の履歴書」を執筆されている歌人岡井隆氏の言葉はその通りだと考える。

●わたしは、模倣が創造の第一歩だという鉄則を今でも信じている。
若いわたしの模倣は、今見ても下手ではなかった。

芸術の世界とビジネスの世界は違うとはいえ、この発想は私も同感だ。
私も、我ながら模倣に長けていると考える。
高校時代、ある予備校の教師の教え方をそっくりそのまま模倣し、
約1時間の授業をほぼまったく同じに行えるようになるまでになった。
また、社会に出てからは、出会う上司を好むと好まざると
”清濁併せのむ”をモットーに、徹底的に模倣していった。

苦しい時こそ、まずは模倣からスタートすべきだと思う。
そして、模倣をする過程で、必ず自分なりの考えや発想に当たる。
そのとき、模倣したことが力になる。
そのため、今私は徹底的に”模倣”すべく多読を行っている。
注目すべき発想、学ばなければならない知識、そして、
それをどう応用していくか、という自分なりの仮説を、
今の時期にどれだけ行ったかで、次の展開で大きな差が出てくると思う。


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■編集後記
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●模倣

今は金融恐慌の書籍などももちろん読んでいますが、
それ以上に歴史書を読むようにしています。

ひょっとしたらソロスではありませんが、
哲学をも学ぶ必要がでてきているとも考えています。

いま出会う本は、一生に影響を与える本かもしれない。
そういうつもりで読み漁っています。


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