TOPIX -14 @1,721
日経平均 -286円 @25,728円
米国株式相場が小幅反落したのを受けて、日本株全般も高値警戒感から利益確定売りが優勢となった。
午後には東京都の新型コロナウィルスの新規感染者数が記録更新(493人)したと報道されると、売りに拍車がかかり一時は日経平均が350円超下げた。昨日には日経平均は26,000円台を約29年半ぶりに回復し、11月に入ってからの上昇幅3,000円を超すほど上げていたので、短期的な過熱感が高まっている。米国では、米小売り売上高が事前の市場予想に届かなかったし、米経済対策もなかなかまとまらない状況が続いている。
株式相場は今年3月中旬に底を打ってから、売られ過ぎの反動から自律反発をし始めた。いつの間にか世界主要国の中央銀行の大規模金融緩和により世界中で過剰流動性が積み上がり、少しでも有利な運用先を求めて株式市場に流れ込んだ。その結果、今は「金融相場」となっている。景気が回復すればその内「業績相場」に移行することになる。その一つのカギとなるのがワクチン開発の進展であり、それを先取りしながら相場に織り込んで株式相場は上げてきた。だが、大きな不安が残る。ワクチンは本当に効果があるのかどうかである。もし、ワクチンが出回ったとしても効果がない、或いは、大きな副作用が確認されるような事態となったら歯車は大きく逆回転しかねない。
日経平均の日足チャートを見ると、陰線で下げて高値更新が止まったが、上から順番に10日移動平均線、25日移動平均線、60日移動平均線がすべて上向きであり、株価はその上で推移している。名実ともに上昇トレンドである。ただし、25日移動平均線乖離率が少し小さくなったとは言えまだ6.5%であるので、スピード調整のための横ばい、或いは小幅反落は十分ありうる。
33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、証券(1位)、ガラス・土石(2位)、倉庫・運輸(3位)、精密機器(4位)、鉄鋼(5位)となった。