山道は険しかった
男達は黙々と歩を進めている。感覚では、登ってるのか下ってるのか
誰もが判らなくなっていた。
10数名が連なって歩いている。
その時先頭を歩いていた男が振り向き、そして言った。
「なあ、おい。俺達何か忘れてやしないか?」
その言葉に何人かうなずく。
殆んど全員が、ここまで来る間に何かを忘れている事に気付いていたのだ。
しかし、それは一体何か?
何を忘れてるというのか?
その時一人が大声を上げた。
「ああ、俺、思い出したわ。ちょっと家まで引き返すわ。」
ああ、俺も思い出した。俺も、俺も・・・
ここまで来て、引き返さなきゃいかんのか。
全員が忘れ物に気付いた。
そして彼らは、ブツブツ言いながらもそれぞれの家に引き返していった。
※ ※ ※ ※ ※
俺は、彼らの一人に尋ねた。
「一体何を忘れたんですか?」
答えが返っててきた。
「ナニ、大した事じゃないんだがね。出かける時にね・・・
「家の戸締りを忘れちまったわけよ、全員がね。
「ホラ、見てみなさいよアンタ。そこそこ、窓が開けっ放しになってるでしょ。
「この窓を閉めに来たのよ、窓をね。
そう言うと男は、開けっ放しの窓を閉め始めた。
NYダウ 733ドル安 過去2番目の下げ幅。
理由はどうあれ、本日の東京市場でそれぞれの銘柄たちが
窓を埋めに戻って来る