木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳*海外株】外貨準備高1.9兆ドルに、9月の金融統計

■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。

■金融恐慌も、世界中が足並みをそろえ、小康状態を保ちそうです。
一方で、金融問題から景気に焦点が移り始める時期でもあります。
心配の種は尽きませんが、当メールマガジンで、
ひとつずつ解きほぐしていきたいと考えています。

それでは、本日もよろしくお願いいたします。


※本資料の利用については、
必ずプロフィール画面の重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上
ご利用ください。
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●【中国】外貨準備高1.9兆ドルに、9月の金融統計[金融]
●【台湾】華碩が下半期の採用凍結か、景気後退で[IT]
●【韓国】ポスコQ3営業益、過去最高の1兆9,840億W[鉄鋼]

※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/
著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。

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●【中国】 外貨準備高1.9兆ドルに、9月の金融統計[金融]

中国人民銀行(中央銀行)は14日に発表した1~9月の金融統計で、
中国の外貨準備高が9月末時点で昨年同期比32.9%増の
1兆9,056億米ドル(約191兆4,556億円)に達したと明らかにした。
引き続き世界一の外貨保有国となる見通しだ。
【上海・菅原湖】

同期に新たに増えた外貨準備高は3,773億米ドル。
伸びはわずかに減速傾向にあるものの、
1カ月当たり400億米ドルを超えるペースで増加を続けた計算になる。
9月単月での増加は214億米ドルで、増加額は昨年同月比で36億米ドル減少した。

9月末時点での預金残高(外貨含む)は昨年同期比18.2%増の
46兆6,800億元(約686兆1,960億円)で、
このうち人民元建ては18.8%増の45兆4,900億元。
1~9月に新たに増えた個人による預金残高は3兆2,500億元で、
昨年同期比では2兆4,900億元増えた。

貸付残高(外貨含む)は14.7%増の31兆4,800億元で、
このうち人民元建ては14.5%増の29兆6,500億元。
同期に新たに増えた人民元建て貸付残高は3兆4,800億元だった。

【木下コメント】
1929年大恐慌の再来となった先週から、
今週に入り欧州の公的資金導入案やG7の行動計画などを好感、
大幅な株価反発となった世界の株式市場。

しかし、さきほど終了した米NYダウは、
金融株こそ多くが前日の流れを受け上昇したものの、
インテルやマイクロソフトなど、
ハイテク関連が世界景気悪化懸念を受け下落に転じています。

こういうときこそ、重要になってくるのが「資産額」。
中国は外貨準備、預貯金も相当な規模。
外貨準備は世界一だし、預貯金も日本の8割程度の規模だ。

米国一極集中だった世界の構図の中で、中国は内需振興という秘策がある。
減税、公共投資、やれることはいくらでもある。
中国への投資妙味は、2005年並みの魅力となって
私たちの目の前に広がっていると考えている。


●【台湾】華碩が下半期の採用凍結か、景気後退で[IT]

世界的な金融危機や株式市場の低迷などを受け、
華碩電脳(ASUS)が下半期の人材採用を凍結しているようだ。

同社は1月に受託製造事業を和碩聯合科技(ペガトロン)と
永碩聯合国際(ユニハン)に分社し、
自社ブランド事業拡大に力を入れている。
これにともない上半期には1,500人を採用し、
下半期も同数を採用する計画だった。

しかし14日付電子時報によると、
最近の金融危機や株式市場低迷などにより下半期の採用を凍結したという。
ただ製品差別化のため、ソフトウエア関連人材の採用は続けているもよう。

電子大手では鴻海精密工業も先に大幅に人員を削減すると伝えられており、
ほかの電子企業にも同様の動きが広がっていくのか注目される。

【木下コメント】
景気悪化の波動として必ず引き起こされるリストラ。
すでに台湾企業は、北米クリスマス商戦の悪化を見越し動き始めている。

金融に対する懸念は払しょくされつつあるが、
製造業は金融に比べると遅行性がある。
結果、株価の回復も遅くなるだろう。
これは日本の景気回復局面でも見られた動きだ。

製造業に対する投資判断は、北米クリスマス商戦の行方が明らかになる
来年春先に改めて検討するタイミングがやってくるだろう。
しかし、それまでは、やや慎重に考えておく必要がある。


●【韓国】ポスコQ3営業益、過去最高の1兆9,840億W[鉄鋼]

ポスコは14日、第3四半期(7~9月)の実績を発表した。
営業利益は前期比5.3%増の1兆9,840億ウォンで、
四半期ベースで過去最高を記録。
売上高は18.2%増の8兆8,130億ウォンだった。

国内外の鉄鋼市況好調が続いたほか、
昨年同期に赤字を記録したステンレス事業が
今年は安定した収益を維持していることが奏功した。
粗鋼生産量は前年同期比9.3%増の861万6,000トンを記録。
製品の販売量(813万8,000トン)は、
浦項製鉄所(慶尚北道)の熱延工場改修など
設備合理化に向けた投資が終了したほか、
市況の好調が続き10.2%増えた。
一方、純利益は為替差損や持ち株の評価損などで
17.4%減の1兆2,190億ウォンだった。

同社は、米国発の金融危機の影響で自動車や建設景気が落ち込むほか、
原材料価格の上昇やウォン安米ドル高などで第4四半期(10~12月)は
経営環境が悪化するとみており、
生産性の向上やコストダウンに力を入れる方針だ。

同社は第3四半期の実績好調を受け、
今年の売り上げと営業利益の目標をそれぞれ31兆9,000億ウォン、
6兆6,000億ウォンに上方修正した。

【木下コメント】
業績は好調だ。しかし、株価は冴えない。

POSCO株価チャート(ADR)
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3APKX 

このあたりが株式投資の難しいところでもあり、
産業を本質的に理解していないと
「業績が良いのになぜ株価が上がらないのか」
という不満につながってしまう。

鉄鋼は、使用先が自動車や造船、建設であり、
それら産業が“後退する”と投資家が考えてしまうと、
鉄鋼業界も“いずれ後退する”と考えられ売られてしまう。

株式投資はビジネスのバリューチェーンを理解しようとしなければならない。
POSCOの業績推移と株価のかい離は、その事実を確認させられる。


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 編集後記
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●お弁当

国際人材派遣のロバート・ウォルターズが行った
ランチタイムの過ごし方に関する調査で、
香港で働くOLやサラリーマンの15%が、
ほぼ毎日、デリバリーか持参の弁当をオフィスで食べているそうです。
景気が悪化すると、どうしても節約志向になりますよね。

そういえば、私も独立してからというもの、
ランチタイムに会社にいる場面では、ほとんどがお弁当です。

最近好きなのは、セブンイレブンの「銀しゃり」というおにぎりです。
遠足に持っていった懐かしのおにぎりの味がするので、
最近いつも食べています。
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