ファンダメンタルズの急速な回復は既に織り込み済み

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場は続伸した(DJIA  +161.39 @28,586.90, NASDAQ +158.96 @11,579.94)。ドル円為替レートは105円台半ばの前週末比やや円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が815に対して、下落銘柄数は1,276となった。騰落レシオは122.62%。東証1部の売買代金は1兆7455億円。

TOPIX -4 @1,643
日経平均 -61円 @23,559円

6月8日以来続いている高値圏での保ち合いレンジから上放れできない。トランプ米大統領と民主党のペロシ下院議長が追加経済対策について非難合戦を続けているため、追加経済対策の早期成立が危ぶまれてきたことも加わり、今日は利益確定売りが優勢となった。そうは言っても、他のアジア株は堅調だったため、深く売り込まれることもなかった。

日経平均が上放れするかどうかは2020年4~9月期の決算がどうなるか次第だろう。今朝発表された8月の機械受注は前月比プラスとなり、マイナスを見込んでいた市場の事前予想よりは良かったが、市場の反応は弱く、株式相場を浮上させるほどの力とはならなかった。その理由は明確である。以前にも指摘したが、株式相場は既に来年度くらいまでの業績回復を織り込んでいるからである。世界主要国の大規模な金融緩和政策と巨額の財政出動を好感して、株価はコロナ前の水準に既に戻っている。既に十分すぎるほど業績の回復を織り込んでいるため、少しくらい良い材料が出てきても株価はほとんど反応しないのは当然だろう。

日経平均の日足チャートを見ると、高値圏での保ち合いレンジの上限近くでの小動きだった。今までに出ている好材料はほぼすべて織り込んでいるので、これ以上上げるには未知の大きな好材料が必要となる。他方、急速に改善すると期待されるファンダメンタルズを織り込んで上昇した後、高値圏での保ち合いレンジでの動きが長引いている。高値の更新ができず、さらに上がると思って新規に買った人たちが痺れを切らして見切り売りを出す。もし、大きな悪い材料が連続して出てくるようなら下放れしやすいだろう。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、ゴム製品(1位)、倉庫・運輸(2位)、海運(3位)、ガラス・土石(4位)、輸送用機器(5位)となった。

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