TOPIX -4 @1,658
日経平均 +28円 @23,539円
米国株式相場は大幅続伸となり、さらに日銀によるETF買いも期待され、9月末の配当権利落ちの影響で本来は下がるはずの日経平均はむしろ上昇した。配当落ちが約142円あったにもかかわらず28円高となったということは実質的には170円高となったことを意味する。ただ、米大統領選に向けたテレビ討論会を控えて様子見ムードが支配的である。
もう直ぐ月が替わり、10月となる。10月といえば1929年の「暗黒の木曜日」をはじめとして株価が何度も急落した月であり、縁起が良くない。米国の或る市場で静かに起っている資金流出にマーケットの関心が向いている。ハイイールド債や貸出債権から資金が静かに流出しているのだ。その原因の一つとして挙げられているのが米国の実質長期金利が下げが止まり、底入れしたと見られることである。長期金利が低下する限りは債券価格は上昇するが、金利が底入れして反転し始めると債券の価格は下げ始める。下げ始める前に逃げようとするのは投資家にとって当然の自衛行為である。長期金利が反発し始めればあらゆる金融商品の価格に下押し圧力が強まる。
日経平均の日足チャートを見ると、8月中旬以来続いている高値圏でのレンジ相場の上限に届いている。このまま上放れするかどうかが注目される。
株式相場は「理論」とランダムに飛び出してくる株価材料に一喜一憂する「感情」が複雑に絡み合って動くため予測は難しい。したがって、緻密な分析により未来の相場を予測してその予測にかけて儲けようという手法は長期的は酷い結果をもたらす。我々トレーダーにとって本当に重要なことは、緻密な分析により株価の未来を正確に予測することではなく、株価の動きに適切に反応して波に乗ることである。我々のほとんどの意識とエネルギーはこの1点に向けなければならない。ダーウィンはかつて次のように喝破したと言われている。「最も賢い者が生き延びるのではない。最も強い者が生き残るのでもない。生き残ることが出来るのは変化する環境に上手に対応し自らをその変化合わせて調整できる者だけである」。“According to Darwin’s Origin of Species, it is not the most intellectual of the species that survives; it is not the strongest that survives; but the species that survives is the one that is able best to adapt and adjust to the changing environment in which it finds itself.” Megginson,‘Lessons from Europe for American Business`,Southwestern Social Science Quarterly (1963) 44(1): 3-13, at p. 4これはまさに建玉操作の神髄と本質的に同じではないだろうか?
33業種中22業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、電気・ガス(2位)、銀行(3位)、保険(4位)、陸運(5位)となった。