TOPIX -2 @1,644
日経平均 -14円 @23,346円
英国やフランスなど海外で新型コロナウイルス感染が再拡大している中、米国の追加経済対策が不透明となってきた。日本が4連休中に欧米・アジア株が大幅下落したことを受けて、本日の日本株全般は下げ、日経平均は一時200円強下げた。しかし、日銀のETF買い期待は根強く、日経平均は大きく崩れることはなく、下値では押し目買いが優勢で切り返して陽線となり小幅安で終わった。富士フィルムが新型コロナウィルス感染症の治療薬候補である「アビガン」の承認申請を来月にも行うと発表したことも株式相場を下支えした。
日本の4連休中に悪いニュースも飛び込んできた。数年以上前のことだが、ドイツ銀行、HSBC、JPモルガンチェース、スタンダードチャータード銀行、バンクオブニューヨークなど欧米の大手銀行を中心に詐欺師や麻薬密売者などの資金洗浄と疑われる違法な取引に手を貸していたことが「フィンセン文書」で明らかとなった。その金額はなんと2兆ドル(210兆円)。銀行規制を強める議論となるのは必至である。金額は小さいが、三菱東京、みずほコーポレート銀行、ゆうちょ銀行など日本の銀行も名を連ねている。暫くは銀行株全般に対する売り圧力が強くなりそうだ。
日経平均の日足チャートを見ると、ザラバではやや上向きの10日および25日移動平均線を一時割り込んだが、終値では辛うじて水面上に戻った。高値圏での横ばいもみ合いが継続中である。現在の日経平均株価はどれくらい妥当なのだろうか?予想EPSが1000円くらいまで急低下しているが、これが1年以内に昨年の1,600円くらいまで戻ると期待して織り込んでいるように見える。なぜなら、予想EPS=1,600円、株主資本コストr=8%、期待成長率g=1%と仮定して定率成長モデルでざっくりと理論株価を計算すると22,857円となるからだ。現在の日経平均株価=23,000台を正当化するためにはそれくらいの回復が1年以内にあるという見立てが前提にあることは心しておきたい。
33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、鉄鋼(2位)、非鉄金属(3位)、保険(4位)、パルプ・紙(5位)となった。