G7をうけたヨーロッパ株は急反発。NYは936ドル高の9387.61で終えた。10月9日、8日の終値を越え、日足の転換線9382をかろうじて越えたが、基準線9730にはまだ届いていない。週足転換線9874、基準線10509はまだ相当上にある。日足のボリンジャーは、マイナス2σ8941は越えてきたが、マイナスσの9775、TP10610はまだかなり上で、下に広がったバンドのトレンドを変えるところまではまだきていない。
為替ドル円は、大きくドルの買い戻しに動いており、現在は102円前後。日足転換線102.22の近辺だが、基準線は103.50、週足転換線および基準線は104.29に走っており、まだかなり上にある。日足ボリンジャーではマイナスσ102.86にまだ少したりない。TPは105.27である。
G7で打ち出された公的資金の銀行への注入、そして銀行間取引の保証措置が、イギリスに続き、ドイツ、フランスで具体化されたことを、市場は素直に評価しているようだ。アメリカも財務次官が、公的資金の注入を自己申告で行うことを検討していると発表、注入の額や銀行間保証ははっきりしていないが、恐慌回避の姿勢が鮮明になったので安心感がでてきたという感じであろうか。チャートの上では、史上最大の大陽線がたったことから、目先は底をいれたとみることができそうだ。しかしこの間の下げ幅に比べればまだ自律反発の域にあり、まだトレンド転換を確認するところまではきていない。トレンドの転換には、日足転換線を確保した上で、週足の主要指標をこえてくるまで、もう少しラリーが続くことが必要だろう。
もし日経平均も、同様にG7の動きを好感すれば、日足転換線9840あたりまで戻してくれる可能性も期待できる。ただし日足の基準線は10441、週足転換線は10792、基準線は11358で、相当に上にある。
アメリカの公的資金注入は、自己申告方式ということで、うまく機能するかどうかまだ不安が残っているし、銀行間の短期金融市場についての保証策もアメリカはまだ打ち出していないことから、すべて霧が晴れるというところまではいっていない。金融各社の決算がでてきてトンネルの先がみえてくるようにならないとトレンド転換は明確にはならないかもしれない。一方すでに株式市場は、金融不安と実体経済の悪化の両にらみとなっているので、GMの先行き、インテルなどの主要企業の業績がはっきりしてこないと、金融不安が和らいでも上値は限られる可能性もある。重いままであろう。実体経済の悪化は通常金融危機から数ヶ月遅れて出てくると思われる。その影響が株価にどうでてくるかには、注意が必要で金融危機が回避できたとしても、しばらくすると実態経済面から、再び下降圧力が株価にかかってくるかもしれない。