TOPIX -11 @1,605
日経平均 -326円 @22,883円
FRBがゼロ金利政策を長期に渡り続けるため、2%の物価上昇率を目指す政策指針を修正し、金融政策目標として「当面の間は2%を上回るインフレ率を目指す」と明記した。これを好感して、米ダウ工業株30種平均は160ドル高で終えた。この流れを受けて日経平均は後場に一段高となる場面があったが、安倍首相が辞任するとの報道を受けて、株式相場は急落した。
日経平均は一時前日比614円安なで下げた。安倍首相の辞任でコロナ対策や経済政策の立案・実行への不安が急に高まったからだ。しかし、これは過剰反応だろう。次期首相は与党自民党から選ばれるはずだし、日銀の黒田総裁の任期は2023年4月まである。政策の大枠が急に変更されるとは考えにくい。そうは言っても、7年8カ月を超え歴代最長の安倍政権が終わることで、対米関係など外交上の安定は崩れるだろう。安倍首相の辞任表明で日本株は急落したが、他のアジア株や外国為替相場はほとんど動揺なしである。
日経平均の日足チャートを見ると、ザラ場で急落して一時は10日移動平均線はもちろん25日移動平均線も下へ突き抜けたが、少し切り返して25日移動平均線の上で終えた。上下にひげを引いた長陰線となった。安倍首相の辞任の影響は2つの軸から考えなければならない。一つはインパクトがどれだけ強いか、そして2つ目にどれくらい長くネガティブな影響が続くのかということである。今日の相場に与えたインパクトは強かったが、日本の政治の安定性を考えるとその影響はそれほど長くは続かないと見ている。
33業種中20業種が下げた。下落率トップ5は、情報・通信(1位)、小売り(2位)、電気機器(3位)、倉庫・運輸(4位)、医薬品(5位)となった。