TOPIX +20 @1,606
日経平均 +94 @22,844円
米国株式相場は小幅反落したが、日本株全般は続伸した。円相場が円安方向に動き、鉄鋼、機械などの輸出関連且つ景気敏感株を中心に買われた。長期金利の上昇を受けて、金融株も買われた。ただ、上値は重かった。米国の追加経済対策がどう具体化するか次第だろう。
8月に入り、2月以来それまでは成長を期待されて買われて来たグロース株が大きく売られ、反対にそれまで無視されてきたバリュー株が買われ始めたことにマーケットの注目が集まっている。背景には米長期金利が下げ止まりから上昇へ転じたことがある。https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-US10Y/
株価は理論的には将来、企業が遠い将来まで稼ぎ出すと期待されるフリーキャッシュフローの現在価値の総和で決まる。この時、現在価値に割り引くための割引率の核となるものが長期金利である。長期金利が高くなるほど割引率が大きくなり、割り算の分母が大きくなるのでその商は小さくなり、理論株価が小さくなる。遠い将来のキャッシュフローの方が近い将来のキャッシュフローよりもより大きなディスカウントとなる。成長株は将来のキャッシュフローがどんどん大きくなるはずなので、成長した後の遠い将来のより大きなキャッシュフローがより大きくディスカウントされるので理論株価は大きく下がることになる。では、バリュー株はなぜ上がっているのだろうか?それは今年の4~6月期が業績の底になるとういコンセンサスが形成されているからだ。つまり、下げるところまで下げ切ったから後は上がるしかないという見方である。下げるグロース株と上がるバリュー株の動きがいつまで続くかは、長期金利の動向と業績見通し次第だろう。
日経平均の日足チャートを見ると、25日移動平均線も10日移動平均線もやや上向きになりつつあり、株価はその上で推移している。大きな悪材料でも飛び出してこなければ、徐々に上方向へ動きそうである。
33業種中32業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、石油・石炭(2位)、電気・ガス(3位)、ゴム製品(4位)、機械(5位)となった。