TOPIX -36 @1,589
日経平均 -652円 @22,473円
連日で過熱感が出ていたが、遂に調整らしい調整となった。日経平均は652円下げ、下が幅は4月1日の851円以来2カ月半ぶりの大きさとなった。高値警戒感が漂っていたところへ円相場が円高方向に振れ、景気敏感株や空運、保険、銀行などを中心に利益確定売りが優勢となった。
米国では新型コロナウィルスの感染者数が200万人を突破したと報道されて感染の再拡大や米経済再開の遅れが懸念された。これを嫌気して日本時間の後場、米ダウ先物が大きく下げていたことも日本株の売りを加速した。米FRBはFOMCで金融緩和を長期に渡って続ける方針を示した。実体経済がそこまで悪いのかという印象をマーケットに与えた。これにより米長期金利が低下して、円高・ドル安となり、それが輸出関連銘柄の売りへとつながった。米国の金融緩和政策により米ドルの量的緩和と金利低下が続いているが、これは新興国や資源国にとっては好ましいことであり、世界経済の再浮上を助ける。他方、ブラジルやインドなどの新興国は新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。世界の他の地域で感染拡大が止まっても、新興国から再び世界へ感染が拡大するリスクが残る。これが株価の上値を抑える。
日経平均の日足チャートを見ると、上向きの10日移動平均線を5月14日以来初めて終値で割り込んだ。明らかな調整の始まりである。昨年4月24日高値@22,362円が直近の下値支持線として意識される。
33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、空運(2位)、鉱業(3位)、保険(4位)、鉄鋼(5位)となった。