「持たざるリスク」に突き動かされて

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場は大幅高となった(DJIA +829.16, NASDAQ +198.27 @9,814.08)。ドル円為替レートは109円台半ばの前週末比やや円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,592に対して、下落銘柄数は526となった。騰落レシオは141.20%。東証1部の売買代金は2兆8712億円。

TOPIX +18 @1,631
日経平均 +314円 @23,178円

前週末発表された5月の米雇用統計が市場予想を裏切って改善したことで米国の景気回復期待が一気に高まった。これを受けて米国株式相場は大幅高となった。日本でも、内閣府が14時に発表した5月の景気ウォッチャー調査で「悪化に歯止めがかかりつつある」との判断を示した。これらを受けて日経平均は窓を空けて続伸した。6日続伸で、この3週間で約3,000円上げた。上げているのは株だけではない。4月20日には20ドル割れまで下落していた原油先物価格(WTI)が40ドルまで回復している。
https://chartpark.com/wti.html さらに鉄鉱石の価格も上昇している。https://jp.tradingeconomics.com/commodity/iron-ore
今回の戻り相場の初期は売り方の買戻しが中心と見られたが、今は「持たざるリスク」に突き動かされて、特に機関投資家などによる新規の買いも入混じりながら戻り高値を更新している。原油価格も鉄鉱石価格も上昇しているということは何を意味するか?近い将来、世界景気が回復するとマーケットが読んでいるということである。

日経平均の日足チャートを見ると、明確な株価サイクル3(着実な上昇)の局面が継続中である。スピード違反なくらいの上昇ピッチであるが、これは2月下旬から3月中旬にかけて急落した時もそうであった。必ずどこかで止まるのだが、事前にどこで止まるかを見極めることはできない。そうは言って、24,000円辺りが強力な上値抵抗線になると見ている。

33業種中30業種が上昇した。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、鉄鋼(2位)、銀行(3位)、保険(4位)、その他金融(5位)となった。

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