TOPIX +19 @1,588
日経平均 +263 @22,326
5月の米製造業景況感指数が前月比上昇した。これは4カ月ぶりのことであり、米景気が回復に向かうとの期待が膨らんだ。新規の買いだけでなく売り方の買戻しも入混じり、日経平均は続伸して3月19日安値@16,358円を起点した今回の戻り相場の高値を更新した。日経平均の上げ幅は一時300円を超えた。現在の戻り相場はたまたま上がっているのではなく、新型コロナウイルスの感染拡大が下火になっていることに加えて大規模な金融緩和による過剰流動性と大規模な財政政策の出動という通奏低音がある。ただ、気になる材料もある。白人警察官の暴行による黒人死亡事件に抗議する抗議デモが米国全土に拡大して1960年代の公民権運動並みの騒動となっている。これが米経済回復を遅れさせる懸念はある。さらに11月の米大統領選挙に与える影響も無視できないだろう。全米に拡大した抗議デモが長引いて共和党のトランプ米大統領がもし民主党に負けると株式相場にはマイナス圧力となると予想される。
日経平均の日足チャートを見ると、上昇トレンドは鮮明である。下から順番に、上向きの60日移動平均線、上向きの25日移動平均線、上向きの10日移動平均線が走っており、株価はその上で推移している。株価サイクル3(着実な上昇)の局面である。昨年4月24日の戻り高値@22,362円をザラバで超えた。この水準を終値ベースで抜け切ると、次の目標はコロナ前の、今年1月17日高値@24,115円となる。ただ、騰落レシオも150%台まで急上昇してきたことから短期的な過熱感は否めない。少し調整した方が上昇がより持続的になる。
33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、証券(1位)、不動産(2位)、その他金融(3位)、機械(4位)、非鉄金属(5位)となった。証券株が強いということは株式市場全体が明るいとうことの証である。