米金融危機封じへ公的資金を投入する米金融安定化法が3日成立した。ところが週明けの金融資本市場は株が売られ、銀行同士で資金を融通し合う取引の金利は高止まりしている。なぜ市場に評価されないのか。
今回の公的資金は、金融機関が抱える不良資産を買い取るために使う。住宅ローンを借りている個人がおカネを返せなくなったり、住宅ローンを小口に証券化して投資家向けに売っている金融商品の価値が大幅に下がったりすると、これらを持つ金融機関は不良資産として位置付ける。
不良資産はそのまま持っていれば、さらに価値が下がる可能性があり、金融機関は売却して自分の資産から切り離す必要がある。市場で買い手が見つからないなら、米政府が公的資金を使って買い取ってあげるというのが今回の特徴だ。