TOPIX -5 @1,427
日経平均 +55円 @19,675円
米国経済指標が大幅に悪化(4月の非農業部門の雇用者数が前月比2023万6千人減少した)したためNYダウ平均が反落したのを受けて、日経平均は続落して始まった。一時は170円安まで売られたが、その後切り返してプラスで引けた。ただ、国内の新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にあり(5月6日時点の都内の新規感染者数は38人と4日連続で100人を下回った)、さらに、4月の中国貿易統計で輸出額が前年同月比3.5%増となり3月(速報値)の6.6%から増加に転じたことが相場を支えた。
これからの相場の重しになりそうなことは、トランプ米政権が新型コロナウィルス拡散の責任を中国に問うとして、中国への追加報復関税の検討に入ったことである。米中貿易戦争の懸念が再び高まっている。さらに、コロナウィルスの世界的感染拡大により在宅勤務という働き方がますます普及し、人々の買い物の仕方も変わり、人々の行動様式が一変しており、この変化はコロナ禍が終わっても続きそうである。ということは、従来型のビジネスモデルの産業は立ち直りが遅い可能性が高い。
投資部門別売買動向によると、海外投資家は日本株を現先合計で年初から4月第4週まで8兆円以上売り越して来た。一旦買い越しに転じた2月第1週以来直近まで11週連続の売り越しである。相場格言に「セル・イン・メイ」というものがある。5月は株式相場が下げやすいとされる。しかし、下げると言うことは株価が安いということであり、お買い得であるとも言える。現在の株価を抑えている最大の要因はコロナウィルスの感染拡大とその結果である経済の停滞である。感染拡大は必ずいつかピークアウトする。それからは安値を更新するほど売り込まれることはなく、上下動を繰り返しながらトレンドとしては上方向に戻っていく。問題はそれがいつかということだが、誰にも正確には分からない。
日経平均の日足チャートを見ると、ザラバでは横向きの10日移動平均線の下に沈みんだが終値ではその上に浮上した。ローソク足の形としては「入首線」である。25日移動平均線は上向きであり、趨勢としては上向きの動きだと判断できる。
33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、空運(1位)、保険(2位)、陸運(3位)、鉄鋼(4位)、非鉄金属(5位)となった。