世界株安とまらず

7日の日経平均10155.90円(317.19円安)、一時は500円以上下げて10000円を割り込んだ。安値は9916.21。遅行線が雲の下限とぶつかる10402あたりを下値の節目とみていたが、それも割り込んでしまった。とはいえ、この近辺は一目均衡表での大きな節目であり、事実7日はかなり長い下髭を引いて安値から戻って引けている。連続して窓を開けて急落していることからも、いったんこのあたりでもみ合いになるとも思われる。PBRなどのヴァリュー指標からみると、いかにも安くみえるのも事実だが、しトレンド指標はいずれも極めて悪く、下ひげも、本格的な底入れの兆候とは言いがたいであろう。外国人の投資家など、価値と関係なく、売却処分しなければならない向きがまだかなりいるのではないかと思われ、単なる値ごろ感で買い向かうのは難しい。この水準を破ってくると、これより下には本格的なめどが見たらない。しいて言えば004年5月の10905、2003年11月の9614、そして2003年の7831ぐらいがあるだけだ。
7日のNYダウは再び急落。508.39下げて9447.11。一貫して下げており、安値を更新。月足の雲の下限9433.84近辺で止まっている。ここが大きな節目で、これを破ると月足でも下値のめどがみえなくなってくる。ナスダックも108.08下げて1754.88と、まったく下げ止まる様子がない。バーナンキ議長は、実態経済の悪化を見据えて、利下げを示唆したが、これも効果がなかった。結局金融安定化法案では、金融機関を救えないと不信任をつきつけられている形だ。
 ドル円はいったんドル高に少し動いたものの、バーナンキの利下げ示唆をうけて再びドル安に動いており、現在は101.43。ドル安の流れに大きく基調は転換している。
 欧州の金融機関ー特にイギリスの銀行に金融不安が波及しているだ。アイスランドにいたっては、国自体が資金繰りが出来なくなってしまったという。(もっともお金をだすロシアの市場も記録的な下げをみせていえ、頼りになるかどうか怪しい)各種報道によればアメリカ以上に、投資業務にのめりこんでいた金融機関が欧州には多いらしい。しかもEUは、経済的には単一通貨に統合されているとはいえ、政治的意思とその裏づけになる統一した財政組織が存在しないため、各国の対応はばらばら。アメリカ以上に政策当局の対応は心もとない。マーケットにEUの組織の脆弱性が狙われると、問題はこじれて深刻化する懸念がある。世界的な金融機関の連続した破綻やドルの暴落といった金融恐慌に発展する可能性が払拭されない限りは、リスク資産からの逃避はつづかざるをえないであろう。
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