投財堂本丸
北面部隊が全滅していた。
北門からなだれ込んで来る圧倒的な数の売鬼。
このまま行けば、本丸が陥ちるのは時間の問題だ。
最前線で戦っていた石原と曹達の2人は現在孤立状態。
本陣の状況を考えると援軍などは当然送れない。
というより、本陣に援軍が必要な状態である。
「殿、このままではここも危ないですぞ。売鬼めは、北門から真っ直ぐここを目指しております。」
側近の旭が進言してくる。その頭には矢が刺さり、鎧はボロボロであった。
「どうしたものか・・。」
俺は唸った。
「殿、今の所方法は一つしかありますまい。南門からお逃げ下され」
旭はそう言うと南門への道を開いた。
「旭、お主はどうするつもりだ?」
「拙者はここで出来る限り売鬼を食い止めまする。」
そうか・・。俺は思った。こいつはここで死ぬ気だ。
逃げるという事は、当然都落ち。
俺はまだ迷っていた。まだ食い止められるかもしれないというのに
一人だけ逃げてよいものだろうか・・・。
【前場の戦果】
石原産業 生死不明
日本曹達 生死不明
旭化成 重傷
後方支援部隊 ダイワボウ 売鬼部隊へ間者中
(次回へ続く)