10月3日の日経平均は、10938.1(-216.62)と大幅な下落。2005年5月以来の11000円割れで年初来安値更新。窓を開けて下げ、安値引け。日足、週足、月足とも下向きの基準線、転換線の下であり、下降基調が鮮明。月足の基準線もついに雲の上限を破って下降している。現在値のすぐ下近辺で月足転換線が雲の下限とぶつかるが、今のところとまるそうな気配はなく、次は月足遅行線が雲の下限とぶつかる10402あたりが一応のめどと思われる。だが、あらゆるトレンド系の株価指標が弱く、根拠のあまりない淡い期待以上のものではない。
10月3日のNYダウは10325.38(‐157.47)と続落。金融安定化法案の通過にもかかわらず、下げた。トレンド指標はどれも依然下降基調で、分析のしがいもない。製造業指数のひどさが目立ったが、注目の雇用者数も、5年半ぶりの大きな減少となり、実体経済の悪化が予想以上にひどい。これからさらに実体経済の不況を織り込んでゆく形になるので、トレンドが早期に転換する可能性はどうみても低い。景気の底がはっきりとみえてくるまでは、値ごろ感をうらぎって、「もうはまだなり」ということで下げ続ける危険があり、慎重な投資をする向きは買いを手控えてしまうだろう。
金融についても、今回の金融安定化法案では、不良債権を買い取る価格がわからず、金融機関にどのくらいの損失になるのか不明。金融機関の損失がわからなければ、借り手が本当に自己資本不足に陥らないのか、金融機関同士の不信感は解消できず、現在機能不全に陥っている銀行間の短期の資金流通の改善にはつながらないと受け止められているのではないか。この状況が改善できないと、結局金融機関の破綻が続き、最後は理屈ぬきで最後の貸し手である政府が金融機関の資本不足を補うー公的資金の注入、国有化という道をたどらざるを得ないような気がする。時価会計をいじるとかいっているようだが、よけい不信をあおるだけにならないといいが。
どうもまだ、舞台転換までには何幕かありそうだ。新大統領が決まって劇的な手をうつまでは、回復軌道に乗るのは難しいかもしれない。